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蝿の警報は出ていなかったが、街に人気は少なかった。 歩いている人間は、皆蛆防護用のプロテクターに身を固めて、絶えず上空を気にする所作を見せる。 建物の開口部は皆塞がれ、個人宅には気休めにしかならない「蝿除け玉」――金銀色のガラス玉――を、壁から屋根までびっしりと連ねたところが多い。 ピレスロイドを含んだエアロゾルを放出する銀色の尖塔が、また公園を潰して出来上がりつつあった。 何もかもが神経症的な傷を負った、陰鬱な空気に満たされている。 田所は、装甲バスの車窓のブラインドを下ろした。 パトカーの先導で渋滞する道路を掻き分け、田所の乗ったバスはやがて目的地である自衛隊の駐屯地の門を潜った。
…………
この作品は怪集/2009作品集【怪集 蠱毒】に収録されました。 続きは【怪集 蠱毒】でご覧下さい。
【怪集 蠱毒】加藤一 編
 https://www.amazon.co.jp/dp/4812440203
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受信: 15:38, Wednesday, Jul 15, 2009
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受信: 20:22, Thursday, Jul 16, 2009
■講評
猟奇性のあるSF世界をディテールをしっかり書き込んで表現したところが素晴らしいと思いました。ただ、短く書くことを意識しているのか、ディテールばかりで埋め尽くされている感がありマニア向け(同人向け?)のように読んでしまいました。といっても私はマニアの類なのでその一般受けしなそうな創作姿勢と、ここにそれを投下した気骨に+4点です。 |
名前: kojima ¦ 10:32, Wednesday, Jul 15, 2009 ×
おー、良いですね。 所々に専門的というか、良く解らない単語が出てきて困惑しましたが、全体的には面白く、非常に印象に残る話でした。 世界観もしっかりしていて、先の派生も期待できる良作かと思います。
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名前: PM ¦ 20:26, Friday, Jul 17, 2009 ×
専門的な用語が多く出てきて、よく解らないものもありましたが、全体の流れを損なう事はありませんでした。面白かったです。続きが気になります。 |
名前: kazuo ¦ 16:09, Sunday, Jul 19, 2009 ×
非常に良く書き込まれていると思います。 なかなかここまでは書けないんじゃないでしょうか。
ただその分、主人公が「設定を説明するための設定」という感じになってしまっていますね。 オチのひねりも自分の設定を自分で裏切っているため、どうしてもスケールが小さい印象です。
良く書き込まれた設定に1点おまけして。
【アイデア】1【描写力】1【構成力】0【設定】1 |
名前: ユージーン ¦ 19:57, Wednesday, Jul 22, 2009 ×
【アイディア】+1 終末的な世界観が良いと思う。また、蝿絡みのアイディアも豊富。 【描写と構成】+1 基礎文章力は高いと思う。描写に関して言うことはない。ただ、慰労会後のクライマックスの盛り上がりに少し欠けたと思う。如何に雄にレーダーを破壊されることがあり得ないことか(絶対の安心)、そして、それを破壊されることがどんなに致命的なことか(絶望)、が描写されていれば、そして、マンティス計画が比較的安全な日本が行う時間稼ぎの一種では無かった(背水の陣)方が、対抗策を失った人類の絶望感がもっと出て面白くなったと思う。また初読時、なかなか怖い部分に入ってくれないので、人間ドラマが冗長に感じられた。 【怖さ】±0 ありがちな設定ではあるが、やはり蝿の大量発生と巨大化は怖い。描写のお陰できちんと光景を想像も出来た。ただ、SF的な格好良さが先立っていたのと、クライマックスの書き方が気になったのとで、この点数。 【買っても後悔しない魅力】+1 良いと思う。指摘した点が補強されていれば、合計+4をつけても良かった。 |
名前: わごん ¦ 23:51, Wednesday, Jul 22, 2009 ×
こういう世界観が好きじゃなきゃ書けない作品。破綻も無く、細部まで楽しんで書いたんだろうなと思います。その分、入り込めない人がいるのも確かかな。
発想・1 構成・1 文章・−1 恐怖・0 |
名前: 三面怪人 ¦ 11:02, Thursday, Jul 30, 2009 ×
アイデア 1 文章力 1 恐怖度 1 難しくて読み疲れました-1 いやあ〜。文章とか構成力とか大変お上手なんだと思います。まるでプロみたいです。 しかし、しんどかった。特に今日は疲れていたので…。 軍隊系という分からない設定の上、飛び交う色んな難しい専門用語。色んな人物が出てくるが誰が誰かもわからない…。 さっさと読めずに、時々、休憩しながら読んでましたが、結局作戦の意味がわからずじまいでした。 私の読解力がないせいでしょう。ええ。 巨大な蠅の人間を襲う様なんかが非常に気持ち悪く描かれていて、それは良かったと思います。 タイトルのマンティスってどういう意味なんでしょう?設定は凝っているのですが、予定調和的に終わったかなあ・・・。 |
名前: 妖面美夜 ¦ 22:03, Saturday, Aug 01, 2009 ×
大型昆虫襲来という怪獣パニックもの。かなり月並みな設定を他の小アイデアで下支えしていると思う。 終盤の話のキーとなる蝿の雄雌の性質の違いを印象付けるエピソードがあれば、もっとすんなりとオチにもっていけたのではないか。 じめじめとした恐怖はないが、捕食されるという動物の本能的恐怖は表現されているように思った。が、後半、主人公の内面があまり表出されていないためにドラマ的な盛り上がりが欠けてしまったように思えた。
アイデア 0 文章 1 構成 −1 恐怖度 1
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名前: 鶴の子 ¦ 20:41, Wednesday, Aug 05, 2009 ×
とても面白かったです。 最初はよく判らず、手探りで読んでいったのですが、だんだんと世界観や設定が解き明かされるにつれ、夢中になりました。 ただ私個人の「恐怖」のツボとは微妙にズレがあったので、最後まで「怖い」ではなく「面白い」で終わってしまったいました.。
*設定+1 *文章+1 *説得力+1 *恐怖−1 |
名前: げんき ¦ 18:00, Friday, Aug 14, 2009 ×
設定解説にかなり悦に入っているように感じ辟易しましたが、後半の展開は圧巻でした。 多くの人の心にひっかかる一作だと思います。 |
名前: もりもっつあん ¦ 01:00, Friday, Sep 04, 2009 ×
SFは少し入りづらいくらいがちょうど良いと思っているので、専門用語などは気にしません。分からなくても読めないことはないし。 講評が後回しになってしまいましたので、今更私が言うことはありませんが、この作品の場合、派生作品の多さが参加者に愛されている一つの証明となっていると思います。 |
名前: あおいさかな ¦ 00:39, Wednesday, Sep 09, 2009 ×
ミリタリー系にはうといのだが、描写がしっかりしているのでそれほど苦にならずに読めた。こういったSF物は、世界観をどれだけ作り込めるかが成否の鍵になると思うが、この作品は充分にそれを満たしていると思う。 |
名前: 水本しげろ ¦ 20:16, Wednesday, Sep 16, 2009 ×
たいへん面白かったです。 強リンク作も含めて、まとめたものを改めて読んでみたい気がします。
アイディア 2 描写力 1 構成力 1 恐怖度 −1 |
名前: ユーコー ¦ 21:11, Wednesday, Sep 16, 2009 ×
後半の急ぎ足な流れもあって、初読時には実のところ評価は微妙な作品でした。 ですが全投稿作品が出そろった中で改めて読んでみると、この長さで適度なボリュームと纏まりがあって、なかなか良いのではないのかなと思いました。 多くの作品がここから派生した功績と共に、傑作選にも入るといいですね。
作品に対してはどれも公平に、講評の配点を各−1から+1の間で付けているのでアイデアが上限の1しか出せないのが残念なのですが、これだけの文章で展開された、種作品にして密度の濃い作品でした。
アイデア・1、描写力・1、構成力・1
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名前: 気まぐれルート66 ¦ 23:09, Sunday, Sep 20, 2009 ×
世界観がしっかりしているけど、その世界観に流されずにきちんとまとめてある良作です。 あと、ハエのキャラクターのインパクトで押し切った感じがありますが、それも卓越した描写力あってこそのものでしょう。
ただ、読み物としては抜群に面白いのですが、「恐怖」かというとそうでもない気がするので、点数は内容よりは辛くしました。 |
名前: 六条麦茶 ¦ 00:01, Sunday, Sep 27, 2009 ×
文章1 構成1 世界観1
専門的な用語も出てくるし、戦闘機にちっとも興味がない私にも苦無く読み解けた。 何より世界観がしっかりしている事で、安心して読める。 迷いが無い文章、と言う感じ。 練られた文章の妙技という感じがする。 これに雰囲気や情感がプラスされたら、即デビューでしょう。 そういう、文章の色気を身につけた貴方の作品を読ませていただきたいです。 そしたら絶対買い。 そうしたら、失礼だけれど京極○彦も目じゃないと… (ファンの方には申し訳ないが) |
名前: ほおづき ¦ 22:35, Monday, Sep 28, 2009 ×
お話は充分怖いのですが、肝心の登場人物の怒り、畏れ、絶望が伝わってこないので強い感想を抱くことができませんでした。
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名前: 読書愛好家 ¦ 15:44, Thursday, Oct 01, 2009 ×
追記: 人物を書くっていうのは背景を説明するってことじゃないんだよね。 背景はどこまで行っても背景でしかない。
それはチョコレートアイス・バーとバニラアイス・バーがあった時にどっちを選ぶのかって事なんだよね。 チョコアイスを選んだなら子供っぽい人だろうし、バニラアイスを選んだらちょっと淡白なのが好みなんでしょう。 だとしたら、次にチョコパフェとバニラパフェが出てきたら、チョコアイスを選んだ人はチョコパフェを選ぶでしょう。きっと。 でももしもその人がバニラパフェを選んだとしたら、それはチョコじゃなくてバニラを選んだ理由があるはずです。
選択が、行動がキャラクターを作る。 そこで大事なのは、正しい選択をしてはいけないって事です。 正しい選択をしてしまうとそこで物語が終わっちゃうからね(笑)。
必ず、間違った選択をしなければならなず、間違ったがゆえに突き動かされ、クライマックスの選択肢で読者は「はたして今度こそこいつは正しい選択をするんだろうか?」と思う事で引きつけられる訳です。 この場合の正しいか、間違っているかという基準は必ずしも倫理的だったり、物事を成功に導く正解とは無関係で、「物語の構成上で間違っているという非常に相対的な基準」で、という事になります。
その時、キャラクターは作者の手を飛び出して勝手に歩きはじめる訳ですね。 そうなったらそうなったで、今度はどうやって作品の中に押し込むかで苦労する事になるんだけど。 逆に言えば、物語を作るって事が物語という箱の中に人物を作る事じゃなくて、作者は箱を自由に選ぶ事はできない事になる。 箱が最初にあるんじゃなくて、箱と中身は常に相対的な関係で、箱の中に入れるキャラクターを入れ替えたり、時には箱の方をつぎはぎしながら作って行く事になります。 そうなると、さらに物語作りが楽しくて楽しくてたまんなくなると思います(笑)。
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名前: ユージーン ¦ 20:08, Thursday, Oct 01, 2009 ×
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QRコードの中に 潜む実話怪談

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