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仕事の虫
 間もなく深夜だというのに、空は明るかった。敷き詰められた雨雲が、街灯や遠くの高速道路の光を照り返し、灰や橙色のまだらになっているからだ。
 坂の町の階段路地を、泉はビニール傘をさして上っていた。密集する家々にはまだ明かりの点る窓もあったが、反響する雨音ばかり大きく、他の物音はなかった。
 目指すアパートは上りきった先のまだ新しいアパートだ。

 もう七月も終わるというのに、本格的な暑さは一向訪れない。湿度ばかりがいやに高く、腋の下や背中に生ぬるい汗が滲んでは流れ落ちる。東海地方の梅雨明けは八月に入ってからになる見込みだった。
「今週もずっと雨だそうですよ」
 閉店作業をしながら泉は、店長の戸田と話していた。客席の整理や外掛けのポスターの撤収といった簡単な作業はもう終わっていたが、戸田は精算があわなくて、明かりのほとんど落ちた店内でレジと睨めっこしていた。彼は雨で客足が落ちることよりも、こんな日の閉店作業に出なければならないことを不運に思っているだろう。本来精算で悩むのは、副店長の竹内のはずだった。彼は今日店に来なかった。電話も出ない。竹内は仕事の虫だった。真面目な竹内が無断で仕事を休んだ事実が戸田も泉も不安にさせていた。
「――あっ、泉くん仕事終わった?」
「はい」
「じゃあ、先帰っていいよ。俺レジ合わせてから帰るから」
「分かりました」
 泉は私服に着替えてから、カウンター越しに戸田に声をかけた。
「店長、僕、竹内さんの家に行ってみましょうか?」
 一日の売上表から目を上げて、おっ、という目で戸田は泉を見た。少しして、
「じゃあ、お願い」
 と言った。
 俺が行くよって言えよ、と、泉は苛立ちを覚えた。泉は戸田を良く思っていない。戸田が、本部から指示された非正規雇用の首切りについての人選と通達を、全部竹内に丸投げし、彼だけ憎まれ役に仕立て上げたことを知っているからだ。
 竹内はそのことを気に病んでいるのかもしれない。

 駅から通りをはさんだ斜め向かいに、白い外壁の小さなアパートがある。こぎれいな外見と新しさの割りに、駅の騒音が理由で意外と安いと聞いた。建物の中央に階段があり、左右に部屋が展開している。竹内の部屋は二階の左側だった。
 駅から見ると、竹内の部屋に電気が点っていた。
 階段下で傘をふり、残った水滴をしたたらせながらその部屋の前に来た。
 チャイムを押す。
 静まりかえっている。
「竹内さん、竹内さん?」
 手の甲で戸を叩いた。
「竹内さん、こんばんは」
 相変わらず反応がない。かといって、これ以上大きな声で呼ぶのも躊躇われる時間だった。ドアノブを回してみた。あっさりと内側に開き、いきなり部屋の奥までが見渡せた。
 台所に、天井から、首吊りの縄が垂れていた。
 うっ、と言葉を詰まらせて、泉は立ち竦んだ。
 除湿が効いたひんやりした空気を分けるように、縄はぶらんとうなだれている。真下に椅子が置かれていた。竹内の気配はなかった。
 進退の見極めがつかず、何分か呆けていた。その間色んなことをぐるぐる考えたような気がするが、結局何も考えていなかったのだろう。
 救急車、いや警察! と閃いて我にかえった。
 竹内は死のうとしていたんだ。だけど少なくともここでは出来なくてどこかに行ったのだろう。
 走り出した後ろから、「おおい」と呼びかけられた。
 慌てて振り返ると、今閉めたばかりの戸を開けて、竹内が身を乗り出していた。
「あっ、」と物を言いかけ、そのまま、泉は硬直した。
 竹内がアルパカのように首を長くしていたからだ。
 両肩がだらんと下がっている。
 膝と腰を折り、廊下に着きそうな位置で両腕をぶらぶら揺らしている。しかし首が長いせいで、顔がいつもと同じ高さにあった。後退の始まった髪。人のよさそうなまん丸の目に眼鏡をかけ、厚い唇で微笑んでいた。
 その顔で手招くように何度も頷いた。
「泉くん、ちょっとおいで」
 意外と何でもない様子で呼びかけるので、思わず返事をしそうになった。
「ちょっとおいでよ。面白いものあるからさ」
 だが体と本能は正直で、絶対に竹内に歩み寄ろうとしなかった。ふざけているんだと思ったが、どうフザケてもこうはなるまい。竹内はまだ首で手招いている。
「......竹内さん、あの」
 爪先を階段に向けながら、なんとか竹内に話しかけた。
「今日、あの、どうしたのかと思って。いや。明日来れます?」
「いいからさ、ほら、ちょっとだけ」
「って来れるわけありませんよね! 何ですか、その首。ねえ、救急車呼びましょうか!?」
「なにキレてんの。いや、ちょっと失敗しちゃってさあ。ゴメンゴメン、そこまで驚くとは思わなくってさ」
「いや、驚くとかそういうのじゃなしに」
 声を出していると、体がほぐれてきた。泉はその場で足踏みすると、これを最後に逃げるつもりで言い放った。
「病院行ってくださいよ。あと店長に電話しといてくださいよ。あなたのせいで迷惑だったんですから!」
 むっ、と竹内が顔をしかめた。
「そんな言い方ないだろう?」
 動き出した足を止める。と、竹内が首をもたげ、見る間にその形相を変えて、大きく息を吸いこみ、吼えた。
「――上司に向かって、そんな口の利きかたねえだろおぉー!!」
 両腕を揺らして走ってきたので、一拍遅れで泉もまた、傘をその場に投げ捨てて、吹き飛ばされるように逃げ出した。
 うおお――っ、と悲鳴が迸った。
「上司に向かって――」
 後ろのほうから竹内の声が追いかけてくる。
「そんな口の――」
 線路に並走して泉は全力で走る。
「利きかたねえだろおおぉぉ――!!」
 真横をビニール傘が飛びぬけていって、ゴン! と音を立てて電柱にぶつかって落ちた。
 泉は路地に飛びこむ。
 夢中になって角と角を曲がり、見覚えのある階段路地に出た。竹内の声は聞こえてこなかった。階段を下りきり、停めていた原付にまたがって後ろも見ずに走り去った。

 家族が寝静まる自宅に帰ったときには全身ずぶ濡れだったが、シャワーを浴びる気にもなれなかった。
 髪と体を拭き、パジャマに着替えて明るい部屋で寝転がっていると、だんだん気持ちも落ち着いてきて、さっきの出来事が信じられなくなってきた。俺は確かに見たという印象と首を伸ばした竹内の姿、一方でそんなことあるはずがないという常識がだんだん同じ割合になり、後者が強くなってきた。
 寝よう、と電気をつけたまま目を閉じた。
 竹内が来ないなら、バイトの自分ではなく社員が動くべきだ。関係ない。俺は何も見ていない。

 目をつぶるといきなり夜道が見えた。
 仕事先のレストランを通り過ぎて、見たこともない生き物が歩いてくる。
 それは、長く伸びた首を前に傾けた竹内だった。腰も膝も曲げたまま、今にも地面につきそうな両腕をだらしなく揺すり、目を吊り上げ、口も吊り上げて、泉の通勤する道を逆にたどってくる。
 手招くように頷きながら、何か呟いている。
「いいからおいでよ、いいからおいでよ、いいからおいでよ、いいからおいでよ......」

 ドンドンドン!

 物音に跳ね起きると、部屋の明るさにすぐに全てを思い出した。
 ドンドンドン!
 叩かれているのは間違いなく自宅の玄関だ。
 ドンドンドン!
「泉くーん?」
 間延びした竹内の声が、ドアの音の後に続いた。
「泉くーん、あのぉー、僕だけどさぁー」
 ドンドンドン!
「ちょっとぉー、謝ろうと思ってぇー」
 声が途切れた。戸を叩く音が続いたが、ふとそれが止み、足音が移動を始めた。帰ってくれることを期待したが、それは母屋を迂回して、庭に回りこんだ。
「泉くぅーん、居るー? いるんでしょおー?」
 それは泉の部屋の真下だった。
 泉は思い切って、少しだけカーテンに隙間を作り、顔を覗かせてみた。
 塀の向こうの街灯が、前かがみに首を伸ばし、両腕をだらりとぶら下げる竹内の姿を映し出した。竹内が首をもたげたと思うと、頭を窓ガラスに打ち付けた。
 ガンガンガン!
 泉はそっとカーテンを閉ざし、窓際の壁にもたれて座りこんだ。
 窓を叩く音は止まず、それどころか力を強めてくる。どうしよう。このままじゃあ、窓なんて簡単に破れてしまう。
 足音がまた移動を始めた。
「泉くーん」
 今度は玄関の勝手口だ。
「絶対面白いからさぁー!」
 二階の廊下の奥――兄の寝室から、不機嫌な物音が聞こえた。兄の芳樹の足音が荒く、廊下を渡ってくる。
「兄ちゃん、兄ちゃん」
 這いずるように部屋を飛び出すと、真っ暗な廊下の階段の手前で、芳樹が振り向いた。
「兄ちゃん聞こえる? あれ、あれ」
「聞こえるも何もうるせぇよ。何だよあいつ」
「オバケ。オバケ」
「はぁ?」
「いや、バイト先の人なんだけどちょっと」
「おまえオバケと仕事してんの?」
 芳樹は階段を下り始めた。
「駄目だよ兄ちゃん、行くなよ」
「嫌なら良太は寝てろ。一遍シメてやる」
「駄目だって!」
「俺を誰だと思ってるんだ!」
 泉は口をつぐんだ。芳樹は小学生の頃から柔道で鍛えた体を持ち、社会人になった今でも国体で上位に上り詰める実力者だ。
 見届けないわけに行かなくて、泉もそっとついて行った。
 真っ暗な台所に、勝手の戸を叩く音と、竹内の声が響いていた。
 勝手口の前に立った。
 すりガラスに何も映っていない。
 さすがに芳樹もおかしいと思ったのか、勇み足を止めた。だがすぐ土間に足を踏みこんで、「ンだコラァッ!」と怒鳴りつけた。
 何も起こらなかった。声も物音もそれきりやんで、芳樹の後姿が不審者を探して左右を見ている。泉はゆっくり勝手口に歩み寄った。
「どう、兄ちゃん?」
「......変だなあ」
 芳樹は首を傾げつつ、身を引き、後ろ手に戸を閉めようとした。
 そこにいきなり長い首が挟まって、戸が閉まるのを防いだ。竹内の口が蛇のように開いて芳樹の首筋に食らいついた。百キロ近くある芳樹の体がそのまま外に引き倒され、閉まりかけた戸が全開になる。
 兄ちゃん、と叫んで慌てて手を伸ばした。芳樹の指の先を、手の中に捕まえた。勢いで土に膝をつくと、先に倒れた芳樹の姿が竹内と共にぱちんと消えた。
 地面で泡が弾けるようだった。
 芳樹の指先が、手からこぼれて、庭に降った。
 しばらくすると、芳樹の声が、
「うおおーっ! すっげえ面白ぇーっ!」
 ――と、地の底から聞こえた。



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吊った首が絞まらずに伸びたというのは面白い。アルパカに形容するなら、いっそ四つん這いで走らせたら異様さが際立って良かったかも。発想はなかなか良いが、前半丁寧に書かれている分、後半の台詞主体の展開が雑に見え、前半部分と後半部の文章密度のバランスが悪い。 .. ... 続きを読む

受信: 22:29, Monday, Aug 03, 2009

■講評

出てくる要素は良くあるもので、展開としても予想通りではあるのですが、テンポも良く、なかなか臨場感がありました。
色々と謎の多い話ではありますが、その歯痒さが主人公と共感出来て、なかなか面白かったと思います。


名前: PM ¦ 18:43, Thursday, Jul 30, 2009 ×


アイデア 0
描写力 0
構成力 0
ブラブラ竹内恐怖度 2

竹内の首長死体が手をブラブラさせて追いかけてくる(ゼンマイじかけのおもちゃみたい…)情景が面白くもあり、恐ろしくもありました。職場やその人間関係の設定は前半部分はしっかり描かれているのですが、後半部分の帰宅してからのシーンがグダグダになったような感じがします。弟のセリフだけで続くシーンがやたらろ長い所など。
しかしブラブラ竹内はトラウマになりそうだわ(笑)

名前: 妖面美夜 ¦ 21:42, Thursday, Jul 30, 2009 ×


うーん、アルパカですか。キリンではありふれているので表現を工夫されたのでしょうね。
実は、アルパカがどれほど首が長い動物なのか、文章を読んでる時にぱっと想像ができなかったのです。
ネットでアルパカを調べて、あーなるほど・・・と納得した次第です。

この作品、首だけじゃなくて竹内自体がアルパカと酷似していても結構面白いんじゃないかと思いました。
夜いきなりアルパカ似の人間と遭遇する方が、首がのびた人間と遭遇するよりも却ってシュールな感じがすると思うのですが、まあこのへんは怖さの個人差でしょうね。
後半でもうひと波乱を出されたのは、作者の方が前半だけでは終わらせない意欲が感じられて良いのですが、竹内に能力まで与えるのは随分とオーバースペックな気がしないでもなかったです。
描写や会話に力を入れているのが文章から窺えるので、次回はストーリー面での期待をしています。

構成力・−1

名前: 気まぐれルート66 ¦ 23:15, Friday, Jul 31, 2009 ×


 意外性って点じゃ意表を突かれました。
 こんな手もあるのか、と。

 ただ展開らしき展開はなく、怪物が出てきて終わりなので、それにどうメリハリをつけるのかがこれからの課題でしょうか。

【アイデア】+1、【描写力】0、【構成力】0、【恐怖度】0

名前: ユージーン ¦ 01:25, Monday, Aug 03, 2009 ×


アルパカという独自の発想は面白い。スピード感に溢れる前半部は、読者をグイグイと引き込んでくる。
そのままのペースで行けば、高い評価を得られたと思います。
が、残念ながら後半の会話部分から失速してしまい、中途半端な読後感が残りました。

発想・1 構成・0 文章・-1 恐怖・1

名前: 三面怪人 ¦ 21:43, Thursday, Aug 06, 2009 ×


怖い! ラスト、ものすごく怖いです。
>「うおおーっ! すっげえ面白ぇーっ!」
  ――と、地の底から聞こえた。
この〆がもうトラウマになるほど怖いです。作品の中で積み重ねられてきたユーモラスな会話とか描写とか、そんなのが一気に爆発したかのようなショックをこのラストで感じました。

それと前半部分で語られてる会社の犠牲者的な竹内と、実際出てきたキレた竹内の差が気持ちいいです。

*カオス度+1 *描写+1
*恐怖+1

名前: げんき ¦ 23:02, Monday, Aug 24, 2009 ×


『戸田も泉も不安にさせていた』という文がおかしいのと、後半、芳樹が土間に足を踏み込んでから、怒鳴りつけるまでの間に、一番肝心の「勝手口を開ける」という描写が抜けているのが気になります。
終わり方が超好みなだけに勿体無い。
全体の長さを考えると、作中の時間の長さ(せいぜい2、3時間)は適切であると思います。

文章―−1
構成―+1
恐怖―+1

名前: あおいさかな ¦ 03:13, Tuesday, Aug 25, 2009 ×


・アイディア−1
 仕事の虫という使い方はユニークで肯定するのだが、それが最初に少し絡んでいるだけなので、応募要件を満たすためにとってつけました、という気がしてしまう。申し訳ないが、この時点で私の点の付け方だと−1になる。せめて竹内と泉が仕事の虫仲間で互いに親近感があるとか、オチが仕事の虫的に「すっげえ面白ぇーっ!」とかで話への繋がりがあったら、こんな点数はつけずに済むのだが。
 また、竹書房の『恐怖箱 蟻地獄』の「膝付き」という話で、首吊り死体の首が伸びている話を読んでしまっていたので、虫の薄さを覆すほどネタを斬新には感じなかった。
・描写と構成±0
 可もなく不可もなく。竹内登場後の登場人物同士の会話のノリが良く、その活劇的雰囲気が恐怖から外れてしまっている気もするが、この書き方でないと竹内の不気味さは出ないか? また、少し竹内の歩く姿が想像し辛かった。
・怖さ+1
 説得不能な怪異の不気味さは少し出ていたと思う。オチの「うおおーっ! すっげえ面白ぇーっ!」はシュール系を狙ったのだと思うが、よく分からなかった。+0.5くらいだが、四捨五入。
・買っても後悔しない魅力−1 話としてはそんなに悪くないと感じたが、ネタを生かし切れていないようにも感じた(±0 ややマイナス寄り)。また虫がテーマの傑作選を買って、(仕事の)虫との関わりの薄い話が載っていたら、損をした気分になると思うので(−1)。

名前: わごん ¦ 00:27, Sunday, Sep 06, 2009 ×


うっかり地雷を踏んでしまったという怪談にはよくあるパターンではありますが、化け物になってしまった(?)竹内がなかなかいい味を出していると思いました。
「うおおーっ! すっげえ面白ぇーっ!」というラストの叫びは、それまでの展開でどうも心霊の匂いが薄く、急に消えたり地獄(?)に落ちたりで、ちょっと違和感を感じました。
面白いなら良かったじゃん、と醒めてしまったです……。


アイデア  0
文章    1
構成    0
恐怖度   0

名前: 鶴の子 ¦ 13:44, Monday, Sep 07, 2009 ×


コメディとホラーを行ったり来たりする作風は面白いなと思いました。
死体の描写も恐ろしかったです。
ただ、死体が突っ込むところ、話題の「アルパカ」など、ギャグの質に若干ムラがあるように感じました。

作風 +1
描写力 +1
アルパカなど −1

名前: もりもっつあん ¦ 09:21, Sunday, Sep 13, 2009 ×


非常に整った文章でとても読み易かったです。ただ、虫の使い方がかなり苦しいと思いました。タイトルと文中にぽんと出すだけの使い方なら何でも有りになっちゃうわけで、話の内容に密着させて欲しかったです。

名前: 水本しげろ ¦ 21:06, Sunday, Sep 20, 2009 ×


〔首吊りした人間が、首の伸びた状態で、死んでいるのか生きているのかもハッキリしないまま付き纏う。 〕 という実話怪談的な要素を、怖さを求めずにライト仕上げたのが興味深かったです。

アイディア  いろんな意味で 1
描写力    1
構成力    0
恐怖度    0

名前: ユーコー ¦ 03:40, Thursday, Oct 01, 2009 ×


仕事の虫っぷりに怖さを感じるつもりで読み始めてしまったもので、伝統的な妖怪が登場しビックリしてしまいました。

名前: 読書愛好家 ¦ 17:07, Thursday, Oct 01, 2009 ×


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