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さらば愛しき
 日本では約十万種類の昆虫が生息していると言われるが、それほど種類があるものなのかと驚くのは、この作品に登場するイタクラという男である。恥ずかしながらまだ彼は、昆虫の扱いを専門としているにも関わらず、その多くを知らないと言う。
 以下に少しだけ彼の話をするとしよう。


『 今の研究所で臨時職員として働くようになって一年が経とうとしている。
 入ったばかりの頃は仕事を覚えるのが手一杯で能動的に仕事をしているとは言い難かった。ようやく業務の流れが掴めてきた最近になってよく考えるのは「人は昆虫のどこに嫌悪感や恐怖を抱くのか」という素朴な疑問だ。数や大きさを問わなければ単体の昆虫としての容姿にあるはずだ、と自然に焦点は絞られる。
 該当しそうな身近な昆虫を、今まで手がけた仕事順に挙げてみる。
 ムカデ、ダンゴムシ、ハチ、ゲジゲジ、サナダムシ、毛虫、蛾、蜘蛛、カマキリ、ゴキブリ、カミキリムシ。
 つまりは攻撃性、暗色、多足、節、尖鋭的な形の部位、動作、毒、不衛生。
 実際に相手に危害を及ぼす、またはそう思わせる体の特徴や動作に原因があるのではなかろうか、と思う。その容姿でまず嫌悪感や恐怖を抱かせ精神的なダメージを与えるのは、戦隊に対しては妥当な戦略だろう。
 しかしこのような単純な理論が最近は通用しなくなってきた。敵もワンパターンではなくなってきたという事か。前任者が爬虫類をやってたから今度は昆虫をやれと言った所長の思いつきぶりが、この頃になってやっと分かってきた気がする。
 
 今日も朝からミーティングがある。僕は研究室を出て、いつものように手ぶらで向かった。到着した時、会議室には僕以外のメンバーは既に全員揃っていた。
 少し照明を暗くした室内には、何枚もの大きな画像データが中央テーブルの上方に浮かんでいる。ムカデ、ダンゴムシ、ハチ、ゲジゲジ、サナダムシ、毛虫、蛾、蜘蛛、カマキリ、ゴキブリ、カミキリムシ。それぞれは人型に近い足やら手がついている。
 みんな僕が手がけて、殺されていった昆虫型怪人達。インセクターである。
「以上でホリベユニット担当分の報告を終わります。ええと、イタクラ君からは特に意見は?」
 主任のホリベさんが僕を見て問う。ありません、と僕は短く答えた。
 テーブルの向こうでは所長が腕組みをしてふんぞり返っていた。紫色の悪趣味なネクタイが今日も白いワイシャツに映えている。片側の口角をあげて意味ありげな目線でこちらを見た。
「ところでさあ、イタちゃん。ウチの予算が前年度に比べてどれだけ減らされてるか知ってるよね?」
 いつも僕を馴れ馴れしくイタちゃんと呼ぶ所長から、正に痛い質問が飛んできた。
「前年度比でマイナス5パーセントだと聞いています」僕は手元のカードプロジェクターを見ながら答えた。途端に所長が椅子から立ち上がり、テーブルをどんと叩いた。
「あのさあ、5パーセントって意味分かって言ってんのか? 国の予算使ってお前何やってんだよ。臨時だからって仕事なめてんじゃねえぞ。作っちゃドカン、作っちゃドカンで、やっぱり駄目でしたお金下さいじゃ仕事してるって言えるのかよ。もし次で戦隊を誰も殺せなかったらお前をインセクターにしてやるからな!」
 会議室の研究員やグループ長たちが一斉に所長を見て、直後にそっぽを向いて自分にはまるで関わりのなさそうな顔をした。
 まあまあ彼は一年目ですし、とホリベさんが所長をなだめた。
 僕のインセクター化宣告はこれで五回目だ。
 すいませんすいませんと平謝りするホリベさんにならって、僕も頭をぺこぺこ下げた。
 所長が転勤するのが先か、僕がインセクターになるのが先か、際どいところである。
 
 ミーティングの後はラウンジで、ホリベさんと総務のクボさんと一緒に所長の愚痴で盛り上がった。プロパーのホリベさんは入所当時から歴代の所長を見ているが、現所長が一番思いつき度が激しいと言う。クボさんは僕より二年前に入所したが、新人歓迎会の時には酔った勢いで言うを憚る行為の真似を見せられたり、とても卑猥な言葉をかけられたりした事は一度や二度ではないらしい。
「まあ、あと少しの我慢だからね」大きくなったお腹を撫でながらクボさんは呟いた。
 クボさんは一ヶ月後にはこの研究所を去ってしまう。産休を取ってその後も続けるつもりでいたが、今の仕事にはそろそろ嫌気がさしてきたから出産後に別の職を探すのだとか。

 研究室に戻ると新しい遺体と外骨格一式が届いていた。ホリベさんは奥さんの具合が良くないから先に帰るとクボさんがメールでメッセージを送ってきた。
 遺体はストレッチャーの上に置かれ、外骨格一式は人体の表面に沿って並べられていた。
 外骨格と言ってもこの状態では、見た目には何であるか関係者でなければ判別はできない。言うなればジグソーのピースみたいに元の形が分からないように波形や曲線の単純なパーツに細かく分散され、それが六百点以上も体表に被さるように配されている。有機物を主体とした外骨格は金属ほどには光沢がなく、そのため遺体の皮膚にとても良く馴染んで見える。六百点以上のパーツは瘡蓋のように表面をびっしりと黒く覆っている。
 今度のインセクターはコンセプトも設計も今までとかなり違う。まずは容姿で嫌悪感や恐怖を抱かせる従来の思想から逸脱した方法を試したかったのだ。ストレッチャーの上方を手で払い、設計図のデータを浮かび上がらせる。完成までの見込みは突貫作業で三日三晩。日曜にまでずれ込むかもしれない。
 まずはいつも通りに記憶消去のナノチップを遺体の首筋に埋め込む。そしてパーツナンバーと設計図を照らし合わせながら、ひとつひとつ体表に外骨格を実装していくのである。
 
 翌日になってもホリベさんは研究所に来なかった。二、三日休ませてほしいと一度だけ連絡があり、作業中の新しい外骨格については特に何も言わなかった。所長の決裁は取ってあるが、完成したらまず所長に見せなさいという内容の指示だけを貰った。
 僕はホリベさんの奥さんのところにいつ見舞いに行くかを考えながら、残り四百三十二個の外骨格を手際よく実装していった。一人だけで作るのは十体目になるが、さすがにこれだけ数をこなせば要領は同じで、無意識に手が動く。
 遺体データによればこの人物は二十九歳女性、薬物による自殺で死亡。
 身長百六十五センチ、体重四十七キロ。
 顔立ちは人並みだが、尖った顎と薄い唇がどことなく寂しさを感じさせる。
 体が仰向けの状態では乳房の膨らみがあまり無く、小さな乳首がぽつんと目立っている。
 豊満な乳房は見ていて癒されるが、パーツ実装の作業に関して言えば案外面倒である。
 小ぶりな乳房を持つ遺体は、作業効率的にはとても有り難い。
 
 最近では遺体と差し向かっても、どこの誰で何をしていた人物なのか想像も詮索もしない事にしている。
 僕もこの遺体の女性と同じく、身寄りがない。
 今の国家の、この馬鹿げた計画がまだこの先も続くのなら、いつかは僕も同じような目に遭うのだろうか。死ぬ瞬間なんて想像もできないし考えたくもない、と思う。
 
 ホリベさんも別ユニットの研究員も、もちろん所長も、この計画の全貌を誰も話してくれない。僕が臨時職員だからか、それとも本当に誰も知らないのか。
 分かっているのは僕がひと月に一体はインセクターを設計し、実装し、そしてどこか分からない場所へ彼らは送り込まれている、そして戦隊と呼ばれる敵と戦っているらしい、という事だけだ。
 こんなに技術が進歩した現在において何故この研究所は多額の費用を使ってインセクターのような疑似生物の兵器を開発製造するのか。
 そもそも他の兵器を開発して戦隊を攻撃しようという考えがないのか。
 別拠点にも無数の開発ユニットが存在するのか。
 戦隊とは正義の味方と相場が決まっている筈だが、どうして敵と見なされているのか。
 僕にとっては全てが謎である。
 
 
 二日目の朝を迎え、残りパーツは三百二十八個となった。
 三日目の午後二時五十分に無事、新しいインセクターは完成した。
 インセクター起動処理を待機状態にして、ひとまず仮眠を取ることにした。所長はツクバシティの研究所へ出張、次に来るのは多分週明けになるだろう。ホリベさんは時間が取れれば今日の夕方に病院からこちらに寄るらしい。
 仕事から解放された安堵感でどっと疲れが押し寄せ、瞬時に深い眠りに落ちた。
 


「おい、イタちゃん、新作どこに置いてるんだ? いつも俺ばかり後回しだからさあ、今日は一番に見に来てやったぞ」
 猛烈な所長の揺さぶりで僕は起こされた。眠い目を擦りながら室内を見回すが、インセクターを安置していたはずのストレッチャーには、あの姿が無かった。


「で、最後に、待機状態には、しておいたんだね?」
 所内に第二級の警報が断続的に鳴り響く中、後ろ頭に寝癖が付いたままのホリベさんが僕と併走して質問を投げかけてくる。二人とも透明な球形のスキャナを手にして、通路の途中途中でインセクターの位置を光点の距離から確認する。
「いつもの処理通りでした。特に手順に問題は無かったはずですが……」
「ふうん……。もしかしたら記憶消去が、うまく行かなかったのかね」
「例の東南アジアルートから入ってきてる、チップの事ですか?」
「日本国内の基準では認可が下りてないのに、安いから経費削減で使っちゃえってね。まあ所長が言ったら、首は縦に振る、しかないんだけどねえ」
 ホリベさんは呆れ顔でやれやれといった表情を見せた。それが所長に向けてのものなのか僕に向けてなのかは判断材料に乏しいが、
「すいませんでした」と僕は言った。
「もし記憶消去が中途半端に実行されていたら、生前で最も強い記憶が最優先で起動待機を解除した可能性が高いよ。最悪の場合は暴走して我々に攻撃を仕掛けてくるかもしれないね」
 僕は今回のインセクターの能力を知っている。外見こそ嫌悪感も恐怖も今までよりは小さいが、攻撃力だけはやたらと大きい。それはホリベさんも熟知している。
「イタクラ君。今回はどっちかが生き残れば良しとしよう。そのくらいの覚悟でいなさい」
 僕は曖昧な返事をした。ホリベさんがいるから二人とも助かる、そしてインセクターも破壊ではなく待機状態に持ち込める。明日は僕が所長に怒られさえすれば、またいつもの元通りの一日が始まるだろう。不安を拭うように根拠のない確信を抱いて僕は通路を走り続けた。
 インセクターは研究所の北東側、昆虫飼育室の前で発見した。本物の蛍よりも若干丸みを持たせたフォルムと淡く明滅する腹部の発光器が、薄暗い通路で幻想的に見える。手と足の細さは元の遺体の特徴を活かして女性らしい体つきに仕上がっている。
 パントマイムのようなぎこちない動作は人間よりもやや緩慢だが、そのうち人の目では捉えられない速度を持つのは時間の問題だ。また、発光器から光線を発射する事も可能になる。そうなる前に捕獲しなければならない。
 僕とホリベさんは腰の後ろで隠しながらコの字型のショットグリップを握り、インセクターに気づかれないように、ゆっくりと左右から近づいた。インセクターが次の行動に出る直前にタイミングを見てショットグリップを発射すれば、瞬間的な電磁波ばく露によってその生体機能を一時的に停止できる。僕とホリベさんは顔を見合わせて、目で頷いた。』
 
 
 
 ここで作者からの押し付けがましい読者サービスの一環として、ありがちパターンを列挙してみよう。
【その1】ホリベさんが殺される。逆上した僕イタクラ君がホリベさんの手からショットグリップを抜き取り、泣きながら両手撃ちでインセクターを捕獲する。
【その2】僕イタクラ君が瀕死の重傷を負う。すわピンチかと思いきや、若かりし頃に半身をインセクター化したホリベさんが肩から波動砲をインセクターに発射する。エネルギーを使い果たしたホリベさんはイタクラ君に自分の未来を託す。
【その3】ホリベさんが重傷を負う。僕イタクラ君がインセクターに首を締め上げられている時に過去の記憶が走馬燈のように駆け抜ける。人妻のクボさんに今でもときめく男イタクラ35歳いまだ童貞、最後の相手はクボさんが良かった……と呟きつつ意識が遠ざかる。漆黒のエンドロールに「さらば愛しき」と文字が流れ、低い男性の声がハミングを奏でる。
 
 これらのありがちトラップから逃れねば駄作に陥る事は想像に難くない。ホラーらしい雰囲気が感じられないのも大きなマイナスである。要するにイタクラ君にはもっと恐怖を味わってもらわないと困るのである。
 やはり絶望にふさわしい人物に、ここは御登場願おうではないか。




『「何かあったらオレには最初に報告しろって言ってるだろうが。アッタマ来ちゃうよなあ、本当によお」
 その時、我が研究所のトラブルメーカーが廊下をずんずんと歩いてくる足音が後ろから聞こえてきた。所長が僕とホリベさんのタッグに割って入り、背に装備してきた八十センチ径のドーム型電磁捕虫網を抜いて両手で構えた。初期試作型のインセクターを拘束するのに使用していた、今となってはかなり原始的なアイテムであるが、所長が前に突き出して構えると、どこかの中華料理店のおやじが炒飯でも作ろうかという釣り合わなさを醸し出していて、それが僕にとっては決定的な敗北と絶望の思いをもたらしたのである。

 もはや誰も助からないだろう。
 
 そう感じた。
 
 所長は親指をピンと上に突き出した。上司としての手本を僕らに見せつけようとしたのだろう、青白く輝き始めた電磁捕虫網を上段から振り下ろしながら、インセクターの正面めがけて突入したのであった。
 僕とホリベさんは所長の後方からインセクターに向けてショットグリップを構え直し、トリガーを引いた。
 
 
 
 臨時職員としてこの研究所で働くようになって二度目の春を迎えた。
 来年度も所長は転勤の気配が無いと、クボさんの後任のニシナさんから聞かされた。
 所長からインセクターにしてやるぞと脅される回数は前よりも減った。
 あのインセクター脱走事件の後でホリベさんにそれとなく聞いてみたが、肩に波動砲? そんなの有りはしませんよ、期待してたら大変なことになってましたよイタクラ君、と笑われた。
 僕はと言えば、あの件から幾つか腑に落ちない、覚えていない事がある。
 しかしそれは、いつの間にか取れてなくなっていく瘡蓋のように、ぽろりぽろりと自分の過去の記憶が剥がれ落ちていく気がする。
 いつから僕の右腕に外骨格を実装したのか、誰も教えてくれないのだ。
 素材の昆虫の姿そのままの、紫色のフナムシがびっしりと張りついた、こんなに趣味の悪い外骨格は、今まで僕は見たこともない。』



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受信: 01:14, Wednesday, Sep 23, 2009

■講評

完成度なら、「マンティスの祈り」に並びうる出来だと思います。それだけに、といいますか、
『ここで作者からの押し付けがましい読者サービスの一環として、〜やはり絶望にふさわしい人物に、ここは御登場願おうではないか。』
と自信満々だったのにちょっと……残念かな。
私がイタクラ君だったら、どさくさに紛れて所長撃ち殺すかもなぁ。どうしようもない馬鹿が生き残っていい人が死ぬってのも、「ありがち」だけど……ううん、でもこの場合は「ありがち」でスマートに終わらせた方がいいかもしれない。
ストーリーに関してはまた、他の方が仰られると思いますので、私はそれ以外の話を。

また比較で語って申し訳ないのですが、「動作」に関する描写はマンティスの祈りよりも上であると思います。あちらは虫、こちらは人間を素体としたインセクターであることも一因でしょうが、やはり見せ場の前に対象(この場合インセクター)を丁寧に書きこんだことが活きています。
文章力に関しては、私に言えることはありません。「安全主義者」や「レギニータ」を見て思ったのは、世界観を押し出して書く人は、地の文に対して台詞がわざとらしい、ぎこちないというという特徴があるのかなぁ、と思ったことですが、これに関してはかなり高い水準でクリアしておられる。
何というか……手練れの臭いがする。ww。
贅沢を言えばバトルシーンが見たかった。

文章―1
構成―1
恐怖―0
おまけ―1(高い位相でバランスが取れていることに関して。)

名前: あおいさかな ¦ 18:56, Thursday, Aug 27, 2009 ×


恐怖度0
文章力0
構成力0
頑張って書かれたので 1

頑張って長文書かれていますが、結局インセクター開発の研究者の苦悩がテーマだったのかしら?
ここであえて虫をモデルにした怪人にする必要性があったかな?
というのが疑問です。何でもよかったのではないかと。

ここで作者からの押し付けがましい読者サービスの一環として、ありがちパターンを列挙してみよう。は、いらなかったように思いました。
ちょっとまとまっていないので、ある程度大まかなプロット作ってから作成されたほうがよいと思います。

名前: 妖面美夜 ¦ 12:18, Wednesday, Sep 02, 2009 ×


 おもしろいですね。
 ちょっと笑ってしまいました。
 遺伝記の頃を思い出して。

【アイデア】0、【描写力】+1、【構成力】0、【笑い度】+1

名前: ユージーン ¦ 00:31, Thursday, Sep 03, 2009 ×


所長のキャラがすごく「あるある感」いっぱいで、読んでて腹が立ちました。それなのに再読後はちょっと好きになってしまい、戸惑っています。ひとりひとりのキャラクターが立っていて、面白かったです。

>ここで作者からの押し付けがましい
この展開が予想外すぎて、よかったです。

*構成+1 *キャラクター+1
*描写+1 *恐怖−1

名前: げんき ¦ 23:33, Monday, Sep 14, 2009 ×


この特撮モノっぽい設定は好きですね。アリです。
ただ、冒頭と途中に入ってくる作者のアオリは、なんだか白けてしまって、私的にはナシです。
ここまで入ってくるなら、〆もアオリで締めないと…。
で、アリナシのバランスを考えた結果としては、“ややナシ”ですかね。


名前: PM ¦ 20:09, Tuesday, Sep 15, 2009 ×


目の付け所は良かったと思います。特撮モノは僕も書きたかったんで。
ただ、処理がまずい。
語り部乱入は変な混乱を招くし、結末もはっきりしません。恐怖以前に「よくわからない」というのが本音です。
細かい設定は良く出来ているのですが(電磁捕虫網には噴出しました)、その前に大筋とオチをはっきりして欲しかったです。

アイデア+1
構成-1
恐怖-1

名前: もりもっつあん ¦ 02:01, Wednesday, Sep 16, 2009 ×


・アイディア±0
 戦隊物の敵組織(?)に焦点を当てた着目点は良いと思うが、肝心の内容を面白く感じなかった。
・描写と構成−1
「ここで作者からの〜」前までなら、可もなく不可もなく。「ここで作者からの〜」からのくだり以後は、自棄になって自分で自分の作品を壊しているように見える。
 オチも意図が良く分からない。
・怖さ−1
 怖がらせようとしている部分がないように思う。何の説明も匂わせも無しにパッと出されたオチだけで怖がれと言うのなら、非常に難しい。
・買っても後悔しない魅力−1 間違いなく後悔すると思う。

名前: わごん ¦ 00:49, Saturday, Sep 19, 2009 ×


改造人間のモチーフは多くの先例があって特に目新しさは無いのですが、ワンマン所長に振り回される研究所は日常的な味があって良かったです。
所長のセリフから普段の対応が見えてくる書き方も演劇的な手法で工夫されていると思います。

この作品では冒頭から語り手が登場し、既にメタフィクションを意識した小説である事を示していますので、ありがちパターンも許容範囲ではありますが、ラストでイタクラ君が腕を改造された事程度では、あまり大きな効果をあげていないのは残念です。
それはあくまでもイタクラ君個人レベルの謎や不安であって、読者一般が求めているホラー小説らしい恐怖とは一致していない点は難ありかと思います。

ラストと作品全体を通してみても、この作品をホラーというジャンルにできるかどうか微妙な気がします。設定がSFであっても何かしら明確にホラーたり得る為の要件を作中に出しておく必要はあったでしょう。他の作者の方がホラー的要素を組み込んで奮闘されておられるのですから、そこは努力してほしかったところです。

「さらば愛しき」は、所長の個性的な人物造形などに捨てがたい味もあるのですが、怪集に求められる小説の要素を欠き、逆に看過されやすい部分に力が入っている点が宜しくないのではないかなと思います。
怪集でこの先、メタフィクションや入れ子形式、マジックリアリズム等が出てきても、小説の仕掛けとしての評価はされにくく、むしろ分かりにくいかダメと見なされるかのどちらかに傾きそうな気がします。今大会でも二人称や蝶番的な描写表現を使った作品がありましたが、多くの講評を読みますと技法的な面はあまり求められていないのですね。

さらっと読めて、分かりやすい、ああ面白かった。
そういうタイプの作品の方が多くの方に受け入れられやすいのではないかなと「さらば愛しき」を読んでいて思いました。

アイデア・1、構成力・−1、恐怖度・−1

名前: 気まぐれルート66 ¦ 11:42, Wednesday, Sep 23, 2009 ×


メタな展開がどうのこうの言うつもりは無いのですが、どうにも読み下し難い表現が気になります。
冒頭の【日本では約十万種類の昆虫が生息していると言われるが、それほど種類があるものなのかと驚くのは、この作品に登場するイタクラという男である。恥ずかしながらまだ彼は、昆虫の扱いを専門としているにも関わらず、その多くを知らないと言う。】
これだけで読む気が失せる読者もいるのではないでしょうか。
もう少し文章を整理された方がよろしいのでは。

発想・-1 構成・-1 文章・-1 恐怖・-1

名前: 三面怪人 ¦ 15:39, Friday, Sep 25, 2009 ×


発想+1 文章0 構成−1 恐怖0
頭の説明と読者サービスがなければプラス評価だったんですが……。
戦隊との絡みも読んでみたかったですね。

名前: 戯作三昧 ¦ 08:43, Saturday, Sep 26, 2009 ×


これも怪作ですねえ。
なんか零細でやっているインセクター製造現場が、違和感なく伝わってくるというのは文章レベル的に凄いです。
文中のアオリ文句の外連味は、特に何とも思わなかったのですが、やっぱりホラーらしさを感じてもらうためには、ラストがもう少しえげつなくないといけないかなと思いました。

アイデア   1
文章     1
構成     0
恐怖度     0

名前: 鶴の子 ¦ 21:04, Saturday, Sep 26, 2009 ×


すいません、何だかよく分からないです。
話の世界観は独創的だと思うのですが、まず遺伝元と何処がつながっているかが分からない。
途中でありがちパターンを列挙しておきながら、いつの間にか改造されてました、という一番ベタなオチには脱力しました。


名前: 水本しげろ ¦ 20:40, Wednesday, Sep 30, 2009 ×


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