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「この子が欲しい…」 ある日の深夜、独りPC画面を見ていた私は思わず叫んでしまった。 私はいつものように何気なくネットサーフィンをしていると、偶然にもスピリチュアルグッズを取り扱うネットショップに行き着いた。 そこは、開運、健康、浄化など様々な不思議関連グッズを取り扱っていた。 普段、あまりそのような非科学的世界には興味のない私であったが、その時ばかりは一際目を引く商品があった。 それは虫だった。
商品名:癒蟲(いやしむし) 税 込:19,800円
早速、商品紹介ムービーをクリックする。 癒蟲はターンテーブルの上で輝きながら360度くるくると回転していた。 丸々とした体は七色の光りを放ち、愛くるしい複眼をしている。 その幻想的な美しさにますます心惹かれた。 商品解説のナレーションが流れる。 〈宇宙のエネルギーを秘めた最強の癒しをご提供致します。 秘境アンデスの聖地でしか採取できない希少な蟲。特に輝きの美しいものだけを選出。 左手にそっと乗せて瞑想しましょう。高いヒーリング効果が得られます。 癒蟲の美しい鳴き声はあなたの魂を癒し、今までのカルマが浄化されます。 ヒーラー、占い師もインスピレーションを高めるために飼っています。 世界中の昆虫学者が世紀の発見と謳い、その生態はいまだ持って謎に包まれています。 ですがご安心ください。飼育は至って簡単です。食事は気が向いたときにキャベツなどの葉っぱをあげれば結構です。 限定10匹! 今なら、専用クリスタル製飼育箱もプレゼント!〉
私は長年、色々な悩みを抱えていた。仕事のストレス、人間関係のトラブル、体調不良、そして例えようもない孤独感…。 虫の不思議な魅力に惹かれた私は、思わず購入手続きをしていた。 癒蟲は早速、注文した翌日に届いた。 私は、どきどきしながら白いダンボール箱を開けた。 緩衝材に包まれたガラスケースの中には、眩い姿の癒蟲がいた。 ネット上の画像よりも本物はもっと綺麗だった。まるで動く宝石である。 驚いたことに、癒蟲は天使のようなゆっくりとした羽ばたきで金粉を散らしながら、自らそっと私の掌の上に乗った。同時に掌から癒蟲の思考が伝わってきた。そして名前を教えてくれた。 〈ニジナ…〉 「ニジナというのか。虹のように光り輝く君にぴったりの美しい名前だ。よろしく」
それから私はニジナを常に傍らに置いて眺め、また掌に乗せてはその身体を撫でたり、そっと握って瞑想に耽ったりした。そして彼女に色々と話しかけた。昼間、会社であった嫌なこと、苦手な上司や同僚の悪口、今までの人生で悲しかった事…。彼女はすべてを優しく受け止めてくれた。彼女に話したり接したりすることで、私の心の傷は次第に癒えていった。 さらに驚くべき事に、長年患っていた様々な身体の不調まで改善されたのである。 やはり精神が安定すると、体も健康になるものだ。そして、不思議なことに今まで許せなかった事が許せるようになり、だんだん気にならなくなってきた。 毎晩、甘美な声で歌ってくれた。 コロロロロ… コロロロロ… 私はその音色を子守唄に素晴らしい夢の世界へと落ちていく。 もうニジナなしでは生きられないと思った。人生最高の素晴らしい日々だった。
ある日のことだった。 私は会社帰りにデパートで、ニジナの大好物の限定農家の有機栽培ブランドのキャベツを買った。そしていそいそと家に向かっていた。 〈きっとニジナが喜んでくれるに違いない。早く食べさせてあげたい〉 私は浮き浮きしながら玄関のドアを開けた。 〈おや?〉 と思った。何だか様子が違う。 いつも外出先から帰ると、家の中はひんやりとしたまるで神社の境内にいる様な爽やかな空気を感じるのに、今日はむっとする熱気と粘りつくような重い空気、そして心なしか饐えた様な厭な臭いがする。 不吉な予感がした私はニジナがいる部屋に向かった。 すると誰もいないはずの部屋の中から、幽かに唸り声のようなものが聞こえる。 不審に思い心臓を高鳴らせながらドアをゆっくりと開けた。 明かりがついていないので部屋の中は真っ暗だ。壁際の電気のスイッチを手探りで探す。 パチン… 乾いた音と共に部屋に明かりがついた、にもかかわらず目の前が真っ黒だ。 いや、これは闇の黒ではない。部屋全体が黒い色で覆われているのだ。 真っ白いはずの床や天井が漆黒に染まっている。しかも、よく見るとそれは小刻みに震えながらモゾモゾ蠢いている。私は状況が飲み込めずに放心状態だった。 ヴァアアアアアアアアンと、突然、轟音と共に目の前に黒い竜巻が起こった。 驚いて思わず床に落とした買い物籠から、キャベツが生首のように転げ出た。 〈虫だ!〉 何と言うことだ。部屋中を大量のゴキブリが隙間なくびっしりと這いずり回り、蠅が嵐のように飛び交っているではないか。 二ジナの飼育箱が黒い山で覆われている。 この世で最も醜く嫌われた連中に最愛の美しいニジナが襲われている。 私の中で何かが弾けた。 狂ったように叫びながら、ニジナを救出するため私は黒い海に飛び込んだ。ゴキブリの大群をかき分けながら、二ジナのいる場所に向かって無我夢中で突進する。ゴキブリの体の脂っぽさ、節足がカサカサと這う感触が皮膚に伝わる。視界を遮る蠅の黒吹雪の中、滅茶苦茶に腕を振り回して前進した。 迂闊にも足を滑らせて、ゴキブリの大群の汚穢の海に顔を突っ込んだ。 顔を這いずり回る身の毛もよだつ感触と強烈な生臭さで、思わず口から酸っぱいものがこみ上げてきた。思わず昼間食べたカレーを黄色い胃液と未消化の米粒と共に思いっきり辺りにぶちまけてしまった。 ふらふらになりながらも私はニジナの所まで何とかたどり着き、救い出そうと飼育箱に集っている大量のゴキブリを素手で?んで放り投げた。憎たらしい事に奴らは私の手に噛み付いてきた。結構痛い。手に傷が付き、出血し赤く腫れて痒くなってきた。それでも私はめげずに掻き分けた。 しかし、次から次へと湧いてくるゴキブリと蠅に抵抗するすべもない。 服はすでに潰れたゴキブリの体液でべとべとに汚れていた。ゴキブリの強烈な臭気と蠅の羽音の騒音とで時々気を失いそうになる。 〈このままではいけない、何とかしなくては。そうだあれを使ってみよう〉 私はたばこのライターをポケットから取り出し着火した。 そして、ライターの火で黒い害虫どもを炙ってやった。 キィイイイイイーというこの世のものとは思えぬ悲鳴を上げながらゴキブリが炎の乱舞をした。 火に恐れをなしたのか一斉に虫の大群は逃げて行った。 奴らが去った後、飼育箱の底にから哀れなニジナの死骸を発見した。 羽が?げ、六本の足は千切れてばらばらになり、口からぶくぶくと泡を吹いていた。身体はあちこち齧られ、腹から素麺のような腸が飛び出させていた。 美しいニジナがこんな姿に。私はその哀れな躯を掌に握り締めて泣いた。 「ニジナ、可哀想に痛かっただろう。守ってあげられなくてごめん。許してくれ…」 そうして、何度も詫びながら激しく嗚咽した。
どれくらい時間がたっただろうか。ふと気が付くと周りにあったゴキブリや蝿の死骸などが忽然と消えていた。 そしてニジナの躯を握っていた掌をそっと開けた。何とニジナが消えている。 〈夢だったのか?〉 しかし私の目の前には空っぽの飼育箱があり、どんなに探してもニジナは見つからなかった。 酷く混乱した私は、慌ててニジナを購入したネットショップのお客様相談窓口に電話した。すると癒蟲の担当者からこんな答えが返ってきた。 「それは好転反応です。今まで溜まっていた毒素が全て出たのです。お客様の中にあった病巣となるカルマが一気にゴキブリや蠅という恐ろしい形となって現れ癒蟲と共に浄化されたのでしょう。癒蟲は役目を終えたのです。きっとまた別のものが必要となる段階なのです。もしよろしかったらオススメの商品がございますが…」 そこまで聞いて私は黙って受話器を置いた。
ニジナを失ってからまた独りになった。浄化のせいか以前に比べ心は穏やかなのかもしれない。 しかし、なぜか空虚だった。 街角でゴミ箱に集るゴキブリや動物の死体に群がる蠅を見た。 〈もしかして、奴らは人間の醜いカルマの化身なのか? もし全て清算されたら、魂はいったいどうなるのだろうか?〉 ふと私は、何かを追い求めたくなり、またあのネットショップにアクセスしてみた…。
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受信: 22:45, Saturday, Aug 29, 2009
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受信: 20:41, Wednesday, Sep 02, 2009
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受信: 20:28, Thursday, Sep 24, 2009
■講評
恐怖度1 文章力1 構成力0 アイデア1 虫でも癒蟲のような可愛らしいものなら欲しいですね。 蟲のおぞましさの話が多い中、癒されました。 前半の幻想的で儚げなイメージにうっとりしていましたら、突然、襲撃のおぞましい緊迫感のあるシーンが始まり、対照的な感じで物語が引き締まっていて良いですね。 ラストの方のネットショップの対応のセリフも、『ムー』とかに広告出しているような怪しげなショップを想起させられてツボにはまりました。 最後のセリフがいい余韻を出しています。
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名前: 妖面美夜 ¦ 14:09, Wednesday, Sep 02, 2009 ×
ニジナは良く書けてますよね。 架空の存在を上手く作り上げていると思いました。 私もちょっと欲しいかも。^^;
この作品の難しい所は虫は主人公の中から出てくる訳だけど、それをネタばらしの前にさとられてはいけない。 でも、それをいかにも奇怪な状況としてアピールしたい。 でもネタバレは避けたいっていう。
また、退治がライターであぶるだけではちょっと無理なような。 そもそもゴキブリってほっといても、ぱあ〜〜〜〜っと散っていっちゃいますよね? つまり集まる必然性、逃げない必然性、そして追い払う説得力が必要な訳です。 家に帰ってきた所にゴキブリがいても、普通のサラリーマンじゃ追い払えない訳ですから、ここに仕掛けを用意する事で、読み手としては面白くなってくる訳です。
ですから、ニジナはすごく良く書けているので、それに負けないくらい、このゴキブリどもにも愛情を傾けて欲しかったな、と(笑)。
ラストの、結局はある種の依存状態になるってのがオカルト好きは思わずニヤリとさせられるような感じでなかなかいいですね。 暗黒面に落ちたな、っていう。
私はお話の全体の流れを重視するので、オチも丁寧でしたし、ちゃんと展開が作ってあったので、ちょっとおまけして3点で。
【アイデア】+1、【描写力】+1、【構成力】+1、【恐怖度】0
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名前: ユージーン ¦ 20:01, Thursday, Sep 03, 2009 ×
ニジナに萌えました。 冒頭のオカルトグッズ販売特有の宣伝文句の羅列が、実に痛快です。ニジナの癒し効果をうまく描かれているので、主人公が無意識のうちにどっぷりと依存していく様がリアルで怖かったです。
>それは好転反応です これもオカルトグッズによくある効果ですね。真実を確かめる術のない者は、これを鵜呑みにするしかないという魔法の言葉。これを蹴ることができない段階で主人公の「調教」が完了したと判断して、また怖い思いを味わいました。
*文章+1 *アイデア+1 *恐怖+1 |
名前: げんき ¦ 23:42, Monday, Sep 14, 2009 ×
ニジナ、良いですね。欲しいです。 話としては悪くないのですが、ニジナの描写と、ゴキブリを撃退するくだりは話の肝になる部分だと思うので、もう少し濃く書いても良かったんじゃないかなぁと思います。
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名前: PM ¦ 20:12, Tuesday, Sep 15, 2009 ×
なんだかんだでハッピーエンドですよね、結末の段階では。 ゴキブリの大群の恐怖やニジナの無残な死に様がチャラになったようで残念です。 また、既に何人かが書かれていますが、ニジナの姿形がよくわからなかったのも残念です。
恐怖+1 構成-1 描写(ゴキブリ)+1 描写(ニジナ)-1
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名前: もりもっつあん ¦ 02:07, Wednesday, Sep 16, 2009 ×
+0.5を四捨五入 ・アイディア+1 癒蟲の設定が独創的だと思った。 ・描写と構成+0.5 描写。登場時、癒蟲の足の数など、いまいち容姿が分からなかった。丸々とした体、食事はキャベツなどの葉っぱ、という所から芋虫みたいな多足を想像していたのだが、六本足だったようで。ゴキブリや蝿の大群をかき分けるシーンは頑張っているなぁ、という印象。 構成、可もなく不可もなく。「人生最高の素晴らしい日々だった。」と「ある日のことだった。」の間に余計なシーンを入れず、すっぱり急展開に入ったことは良いと思う。 ・怖さ−1 怖がらせようとしている部分がないように思う。ゴキブリや蝿が主軸ではあるまいし、「〈もしかして、奴らは〜」のくだりはただの問題提起(?)程度に思うし。他の方の講評を読んでも、怖い終わり方だとは思えなかった。 ・買っても後悔しない魅力±0 可もなく不可もなく。 |
名前: わごん ¦ 01:26, Saturday, Sep 19, 2009 ×
虫にニジナという名を与えておきながら、その容姿に費やす文章が少ない為、あと僅かのところで物語に入り込めません。 ここまで活躍させるなら、ニジナは立派な登場人物です。そこが少し残念でした。
発想:0 構成・0 文章・0 恐怖・0 |
名前: 三面怪人 ¦ 16:13, Friday, Sep 25, 2009 ×
恐怖 1 雰囲気 2 切なさ 1 前半が美しく幻想的である分、ニジナが死んでしまう部分に切なさが募ると思います。主人公が癒されて、これからは「悩みの無い、楽しい人生」をニジナと共に生きていこうと思った途端、ニジナと別れなくてはならないなんて、悲しすぎます。良作だと思った反面、もしも自分にこんなことが起こったらと、その点を恐怖として感じました。 |
名前: 白長須鯨 ¦ 17:30, Friday, Sep 25, 2009 ×
可もなく不可もなくというか。 やはりゴキブリの群れをライターひとつで撃退するというのは無理があるかと。ガソリンでもないと燃え広がらないのでは? 癒蟲の姿形についても、描写があいまいでわかりずらいです。 天使のようなゆっくりとした羽ばたきで、とありますが、ややもすると作者の方はあるのかもしれませんが、僕は天使を見たことがないのでピンとこないです。 最後の 〈もしかして、奴らは人間の醜いカルマの化身なのか? もし全て清算されたら、魂はいったいどうなるのだろうか?〉 というのは面白い疑問だと思います。むしろそれを中心に話を広げてみてもよかったかも知れません。 |
名前: 戯作三昧 ¦ 07:59, Saturday, Sep 26, 2009 ×
オカルトグッズ販売の手練手管が垣間見えて面白かった。 ゴキブリの大群に襲われるところは、もう少しスピード感と切迫感が欲しい。 〈このままではいけない、何とかしなくては。そうだあれを使ってみよう〉といった、もたついた思考はいらないのではないか。
アイデア 1 文章 0 構成 −1 恐怖度 0
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名前: 鶴の子 ¦ 03:29, Sunday, Sep 27, 2009 ×
こうして見ると通販や商品ネタは怪集では人気でしたね。 このネタが手を替え品を替えという状況になったのは、もう少し何とかならなかったのかなとも思うのですが・・・。
「癒蟲」もそういうジャンルの定型ではありましたが、心の隙を狙われた主人公とそこにつけ込む業者の手口は良かったです。 ただ、主人公が次を求める理由がカルマの化身かどうかに疑いを抱くところであり、そこがこの作品を定型から少しだけ脱しようとする兆しがあるのに、ここで終わってしまったのがとても勿体なかったです。
無難に定型で纏めると赤点が付くリスクは減ると思うのですが、個性が見えないままで印象に残りにくい問題を抱えてしまうのも、これまた痛し痒しでしょうね。 |
名前: 気まぐれルート66 ¦ 13:07, Tuesday, Sep 29, 2009 ×
>今なら、専用クリスタル製飼育箱もプレゼント! には笑いました。 どうせならSDカードもつけて欲しかった。 癒蟲の設定はなかなか良かったと思いますが、結末はあっさりしている感じがしました。遺伝させる為にあえて深く掘り下げなかったのかも知れませんが、癒蟲の秘密とか、ネットショッピングの陰謀、解脱したらどうなるのかとか、いろいろ話が膨らませたと思うのですが。 文章はとても読みやすかったです。 |
名前: 水本しげろ ¦ 21:02, Wednesday, Sep 30, 2009 ×
なかなか面白かったです。 癒蟲の描き方が丁寧で好感が持てます。 この作品は恐怖があまりなく(ラストのカルマに恐怖が含まれているのかも)、設定命ですね。蠅やゴキブリが本人の心象の好転反応と言うのもよく考えられています。 ゆえに害虫を跳ね除けようとするシーンはもっとエッジを利かせてスッパリ描いたほうが全体のバランスにもたつきを生じなかったかも知れません。 楽しまさせていただきました。 |
名前: 籠 三蔵 ¦ 21:19, Thursday, Oct 01, 2009 ×
救いがない話は意外に少なかったので新鮮に感じました。 |
名前: 読書愛好家 ¦ 23:41, Thursday, Oct 01, 2009 ×
何よりも、愛しんでいた動物が死んでから、安易に代替品を求める主人が胸に痛い。こういう人はなかなか救われようがないと思って、怖いといえば、そういう点での怖さはあったかな。ずぶずぶ泥沼に沈んでいくのだろうと。
一番気になるのは、ゴキブリが炎の乱舞をした時に家事にならなかったことかな? |
名前: あおいさかな ¦ 00:37, Friday, Oct 02, 2009 ×
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QRコードの中に 潜む実話怪談

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