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「太秦ハ、神トモ神ト聞コエ来ル、常世神ヲ、打チキ罰マスモ。 日本書紀・皇極記」
奈良時代、山背国の豪族の長・秦造河勝(太秦)は、神の中の神と称えられた。 その理由は、富士川のほとりで「常世神」という虫を崇め、人心を大いにかき乱した邪教の教祖・大生部多を討ち取ったからだという。
だから、嫌だっていったんだ。
肝試しに行くなんて、ろくなもんじゃあないって。 背後の暗がりの中から猛スピードで迫って来るのは、眩く光る二つの灯。 ずんぐりとした、丸くて黒いワンボックスのシルエット。 照明のない、この峠の暗いカーヴを、正確なコーナーリングで、俺たちの乗ったシルビアの後ろから追従して来る。 あれだけの背の高い車が、どうして、あんな速度で曲がれるのか。 なぜタイヤの軋る音がしないのか。 ハンドルを握る瀬田のテクニックは三人の中でも一番だ。正丸のどんなヘアピンでもカウンターとサイドブレーキで乗り切ってしまう筋金入りの走り屋だが、この峠のコースを把握していないというのは痛かった。 背後より追走する影は、みるみる車間を詰めてくる。 とはいえ、こちらのスピードメーターが六十キロを下る事はなく、そのたびに手足を踏ん張って物凄い荷重に抗しながら、迫り来るガードレールや側壁に慄いた。 ハロゲンライトの光軸のそのまた向こうは、底なしの闇・闇・闇。 何でこんな酷い目に陥らなければいけないのかと、俺は、助手席でアシストグリップを握り締める田代の顔を睨み付けた。
「無施神峠(むしがみとうげ)」に行こうと言い出したのは、この田代のヤツだ。
当時の俺らの週末のパターンといえば、走り屋仲間の瀬田のアパートに、俺と田代が酒とつまみを持ち込んで、車や引っ掛けた女の話題に興じながら、だらだらと時間を潰して過ごすのが定石だった。 また、その日の気分や季節によっては、カップルが犇く代々木や新宿の公園へ覗きに出たり、横須賀道の先で出遭った改造アメ車とバトルを行ったりと、ある意味青春真っ只中と言えたのかも知れない。 その週末、例によって瀬田の部屋でテレビを見ていると、田代のヤツがやって来た。 「なあ、これ見てみろよ」 そいつは、よくコンビニなどで置かれているアングラ本の類だった。 「ほら、これこれ」 開かれたページを覗き込むと、センセーショナルな見出しの付いた、最新心霊スポットという紹介で、S県とY県の県境にある牟施神峠に、黒いワンボックスカーの幽霊が出没し、真夜中に車で峠を走っていると、後ろから猛スピードで追い掛けて来る。 そして、そいつに追い付かれた車のドライバーは、呪われて峠から出られなくなるというのである。 全員、その場で大爆笑。 ばっかみてぇ。 こんなん、ヤラセじゃん。 本当に、その幽霊ワンボックスに追い付かれると峠から出られなくなるのなら、誰がそれを見たんだよ、と三人ともが腹を抱えて笑った。 そうしてこの記事を書いた大生部とかいうライターに、さんざんの悪態をついたあと、田代が思いついたように呟いた。 「どうよ、ちょっと行ってみない?」 「マジ?」 「二時間ちょいあれば行けるぜ、ここ」 俺は顔を引き攣らせた。 いや、違うだろ。 こういうのは安全な対岸から見送るのが、一番楽しいんだよ。 あんまし踏み込みすぎるのは、良くないと思うぜ。 やめてくれ、という俺の心の叫びは瀬田の一言にとどめを刺された。 「行ってみようぜ。面白いじゃん」
高速のインターを降りてから県道を西に一時間ほど走る。 一台、また一台と併走する車の姿が消え始め、両脇に山肌が迫り、県境に掛かる狭いトンネルをひとつふたつ抜けると、そこからの登り坂が「無施神峠」となる。 みっちりとした密度の深い闇を、シルビアのハロゲン光が照らし出す。 ライトを上向きに切り替えても圧倒的な闇の優位は変わらず、光軸に沿った前方の風景以外は何も見ることが出来ない。 恐らく片方が山肌、もう片方が崖っ淵なのだろう。 ひと呼吸置いてから、瀬田は突然アクセルを踏み込んだ。 フジツボの重低音が、静かな山間に鳴り響く。 道路は思ったよりも古く、うねりが目立ち、アスファルトもところどころ捲れていた。 それでも、カーヴに差し掛かるたびに残るタイヤ痕は、どこかの走り屋が、この峠に攻めに来ている証拠でもある。 「うひょ、面白え。ちょっとした穴場だな、ここ」 「見ろよ、ガードレールねえよ。あんなちゃちな路肩の車止めだけで、コースアウトする車なんか止まるもんか」 瀬田は、ハンドル操作と、アクセルのオン・オフで小器用にコーナーをクリアしながら、唇の端に笑みを刻んでいる。 田代はと言うと、グリップに捕まりながら、ひゅーひゅーと奇声を上げていた。 だが俺はというと、あのトンネルを抜けてから、嫌な予感にかられっぱなしだった。 ヘッドライトに浮かぶ道路のタイヤ痕は、ところどころでカーブを曲がり切れずに外へはみ出している。 その先は暗くて判らないのだが、どう考えても崖下らしい。 ここは、そんなに事故が多い場所なのか。 不意に、予感が確信へと変化する。 「あれ何だ」 ステアリングを握る瀬田がミラーを覗いて呟く。 「後ろ」 振り返った俺も田代も目を剥いた。 背後に迫る二つの青白い光点。 ずんぐりした、黒くて丸いシルエット。 出た。 本当に出やがった。 だが、瀬田は落ち着いたものだった。 がん、とアクセルを踏み込む。 背中がシートにめり込み、足回りのポテンザが悲鳴を上げた。 急加速のまま前方のヘアピンに飛び込むと、凄まじいカウンターテクでコーナーをクリアする。 「どうだ!」 だが、背後を振り返ると、ワンボックスは俺たちの車の後ろに付いていた。 「瀬田、ぶっちぎれ!」
だから、嫌だっていったんだ。 肝試しに行くなんて、ろくなもんじゃあないって。
コースの読めない峠道。 背後に迫る黒いワンボックス。 どんなに瀬田がテクニックの尽くしても、追跡車との車間はまったく開く気配がない。 シルビアは気違いじみた速度でコーナーに突っ込んだ。 瀬田の顔色は蒼白となり、田代の股間から、酸っぱい臭いが漂った。 アングラ本の特集ページに書かれた、不吉な文が脳裏をよぎる。
あのワンボックスに追い付かれたら、この峠からは出られない。
アシストグリップを頼りに振り向いた俺が、思わず悲鳴を上げた時。 そいつは、シルビアのテールに強烈な体当たりを食らわした 激しい衝撃と共に、スピンした車体が道路を飛び出し、宙を舞う。 意識を失う刹那、脳裏をよぎったもの。
ダンゴムシ。 特大のヤツ。
ちち、ちちと小鳥の囀る声がする。 明るい。 瞼を軽く開くと、窓の外から差し込む、眩い朝の光が網膜を打った。 二日酔いなのか、頭がガンガンと痛む。 夕べは、少し呑み過ぎた。やはりチャンポンはいけねえ。 腰や首のあたりがぎしぎしする。 また飲んだくれて、床の上で寝こけたようだ。 ああ、起きなきゃ。 何だか、凄く悪い夢を見た気がするが。 朝メシ、何食おうかな。
突然俺は、現実に返った。 首に重みが掛かって、動かない。世界が反転している。 ぼやけた意識が画像を結ぶ。 俺の身体はひっくり返ったシルビアの後部座席にいた。 昨晩の記憶が甦る。 (た、助けて) 呟いた声は、ひゅうひゅうという音にしかならない。 手足を動かそうにも、四肢はまったく動かない。 運転席と助手席で、逆さまの瀬田と田代は頭から真っ赤な血を流しながら、ぽかんと口を開けて瞳孔を開いている。 どうやら死んでいるようだった。 路肩を外れてダイブしたシルビアは、崖下の急斜面を転げ落ちて、そのまま横転したらしい。 零れたガソリンに引火しなかったのはラッキーだったが、最悪な状況に変わりはない。 こんな人通りのない山奥の峠の崖下に転がっている車を、誰が、どういう偶然で見つけてくれるというのだろう? そこで俺は気付いた。 転倒した俺たちの車の側には、やはりボロボロになった車の残骸が横たわっている。 レビン、ランサー、シビック、インプレッサ。 どれも走り屋仕様の車ばかりだ。 そして、巨大な虫の死骸のようなそれらの向こうに、奇妙な石碑のようなものがある。 不意に、枯れ木や草を踏む足音がした。 ふと、そちらへ目をやると、生い茂る草木の向うから、何人かの人影がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 胡麻塩頭の老人。カーキ色の作業服を着た中年男。 それよりひと回りは若い、都会的な風貌の男性。 そして、もう一人は制服姿の警官だった。 (助かった!) 脳裏で女神が微笑んだ。きっとあの若い男が車で通り掛って、事故を通報したに違いない。そしてこの村の駐在が近所の人間と事故の様子を見に来たのだ。 俺は助けを求めたが、やはり喉が鳴るだけで声は出ない。
どうしたんだ、俺はここだよ。 早く、助けてくれよ。 バクバクと唇だけが動く。ふと、声が聞こえてきた。
(バカな連中) (飛んで火に入る…) (あんなでっち上げ記事で、こんな場所まで)
何だ、こいつら何いってんだ?早く俺をここから助けてくれ!
(そんなものですよ) (物好きは身を滅ぼすと、まさに)
あんな記事?でっち上げって何だよ? それより早く、俺をここから出してくれ。
(常世の蟲神様) (此の神を祭る者は、富と寿を致す) (贄)
贄?なんだそりゃ?
(もうすぐ孵る) (増える) (太秦に、河勝の子孫に目にものを)
謎の会話を交わしながら、四人組はゆっくりとシルビアから遠ざかって行く。 ちょっと待てよ。待ってくれよ。 太秦って何だよ? 俺はどうなるんだよ?
転倒した車の中で逆さまになっている俺の目の前に、ひらひらと何か止まった。 蝶だ。 黒揚羽の仲間らしいが、もっと色の濃い、禍々しい印象をもった蝶。 そいつの聞きづらい、甲高い声が、脳内でこう呟いた。
オマエハ、イシヅエノ、セイナルキトナル…。
あたりの草木がざわざわと鳴った。 あの石碑のすぐ下の穴から、幾千幾万という数のダンゴムシが湧き出して、目の前を覆う。 ひっくり返った車の中で、俺は笑った。 声にならない笑いを唇に浮かべて、泣きながら笑った。 世間で言う、行方不明者とか失踪者とかの一割くらいは、案外こんな目に遭っていたのかも知れない。 無施神峠たあ、よく名付けたもんだ。 だから言ったんだ。
肝試しに行くなんて、ろくなもんじゃあないって。
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» 【+1】無施神峠 [峠の塩入玄米茶屋/2009から] × 体当たりする巨大なダンゴ虫とは、また面白い設定を考えたものだ。構成としては良く考えられていると思う。最初の日本書紀の件はちょっと唐突な感じがしたが、後の伏線としての効果を狙っての事だとわかると納得。ただ、後半での蝶の呟きは少々興醒めした。そういうもの無 ... 続きを読む
受信: 20:42, Thursday, Sep 24, 2009
■講評
なるほどね。よく考えてあると思います。 雑誌をちゃんとネタフリに使って、最後に締めるという。 あっさりと感想を書いてますが、完成度の高い作品だと書くことも無いので。w
最後の1点はなんだよって事になるんですけど、登場人物に惚れて、こいつはいいなと思うと4点になるんですけどね。 あるいは抜群に他と違う何かを持っているか。
あとちょっとって感じですかね。
【アイデア】+1、【描写力】+1、【構成力】+1、【恐怖度】0 |
名前: ユージーン ¦ 22:07, Thursday, Sep 03, 2009 ×
ダンゴムシはさすがに意外でしたね。 レーサー仕様でしょうか? 筋も通っていて、なかなか面白かったと思います。 個人的に欲を言うなら、スピード感でしょうか。 なんだか今ひとつ、カーチェイスの迫力を感じなかったので、そこをもう少し濃く書いて、緊迫感煽れれば良かったんじゃないかなぁと思います。
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名前: PM ¦ 20:37, Tuesday, Sep 15, 2009 ×
団子虫のインパクトに心奪われました。 時系列が若干ややこしく、起きた瞬間のくだりはいらなかったと思いますが、伏線の回収、あとを引く不気味さは実に巧みだと思いました。
恐怖+2(団子虫と村人) インパクト+1 文章+1 構成-1 |
名前: もりもっつあん ¦ 18:15, Wednesday, Sep 16, 2009 ×
恐怖度1 文章力1 構成力1 アイデア1
構成といい文章力といい文句ない大作だと思います。 ダンゴムシの光景が非常にインパクトありました。と、同時に笑いました。 不思議ナックルズのような雑誌で釣って生贄にするという発想が斬新でした。 続きがあるなら読んでみたいですね。
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名前: 妖面美夜 ¦ 18:01, Friday, Sep 18, 2009 ×
・アイディア+0.5 峠で巨大なダンゴムシが追ってくる、という一点のみにおいて。他の部分は全てありがちに感じた。 ・描写と構成−1 車に比べてダンゴムシの描写が圧倒的に少ないのが不満。多足をどのように使ってスピードを出しているかとか、重量感とか、書くことは沢山あると思うのだが。そこに走り用語を絡めたりしたら、とても面白くなったのでは? この所為で、話にのめり込む為の現実感が薄くなっているように思う。 登場後、正体をなかなか明かさないのは、手法として良いと思う。しかし、途中からは正体に気づいて、ダンゴムシの描写に入って欲しかった。 門外漢ながら、走りの描写は格好良いのだろうな、と思った。バリバリの専門用語を使われている訳ではないので、やっていることは何となく分かる。 また、冒頭の壮大な振りの割りに、やっていることがしょぼい気がする。ちまちま生贄を集めるというのは、どんなジャンルにも出てくる頻出行動。雑誌の記事を餌に相手を誘き出す、というのも。 ・怖さ±0 ダンゴムシが追い掛けてくるシーンはアイディアが面白いと思ったのだが、前述の理由なども相まって、怖くは感じなかった。初読時にはダンゴムシであることが最後まで分からないし。どことなくユーモラスにも感じてしまった。 オチ、壮大な話や展開を匂わすだけ、というのは評価しないことにしている。唐突に出てきた黒揚羽は、何を喋ってもダンゴムシのインパクトには敵わない。 ・買っても後悔しない魅力−0.5 ダンゴムシが良いというよりは、(私から見て)つまらない話をダンゴムシだけが頑張って支えている、という印象を受けた。 |
名前: わごん ¦ 22:28, Sunday, Sep 20, 2009 ×
伝奇小説的な書き出しから、カーチェイスへ転じるのは面白いです。どこがどう繋がるのか、ワクワクしながら読み進めました。 そしてまさかのダンゴムシ。ワンボックスになぞらえてるあたり、すごくいい描写だなと思ったのですが、欲を言えばダンゴムシそのものの描写を読んでみたかったです。
*遺伝元の調理法+1 *文章+1
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名前: げんき ¦ 00:12, Tuesday, Sep 22, 2009 ×
発想ー1 文章0 構成0 恐怖ー1 ダンゴムシですか……。 好みの問題だと言われればそうなんでしょうが、何が面白いのかさっぱり…。 なぜダンゴムシなのかも腑に落ちないし、大量のダンゴムシに襲われても気持ち悪いだけで、あまり殺されるという恐怖は湧かない気がしますが。 |
名前: 戯作三昧 ¦ 06:19, Friday, Sep 25, 2009 ×
恐怖度 1 雰囲気 2 統一性 1 神話に近い古代の記録と現在のオカルト的な情報が、上手く混ぜ合わされた良作だと思います。巨大ダンゴムシは、確かにワンボックスカーに見えるのではないか、とつい考えてしまいました。 |
名前: 白長須鯨 ¦ 17:06, Friday, Sep 25, 2009 ×
いくつか矛盾点はありますが、取っ掛かりの古文を効果的に使用したり、巨大なダンゴ虫を登場させたりと、なかなか良く考えられていると思います。
発想・1 構成・0 文章・0 恐怖・0 |
名前: 三面怪人 ¦ 20:24, Friday, Sep 25, 2009 ×
高速ダンゴムシは、キャプテンスカーレット(古っ)の追跡戦闘車みたいでなかなか面白かったです。 谷底に落ちてからは、ちょっとベタかなあ。 文章に関しては読みやすく、追いかけられているところは疾走感もありました。
アイデア 1 文章 1 構成 0 恐怖度 0
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名前: 鶴の子 ¦ 04:57, Sunday, Sep 27, 2009 ×
本格派を思わせる書き出しの次に来るのが走り屋の内容とは、なかなか意外性があって良かったです。 メインとなる走りの様子も良く書けていると思いました。
割と好評のようだったのでじっくり読んでみたのですが・・・ちょっと私には合わなかったです。 出てくる虫たちに対して、雰囲気を盛り上げようと書かれた主人公達のやり取りと様子が随分と長いように思います。 期待して読んだために却ってその落差が気になったのかもしれませんが、あまり残る物がなかったと言いますか、こればかりは嗜好の違いかもしれません。 せめて文章が落ち着いていれば、また評価も変わったと思います。 「だから、嫌だっていったんだ。」の繰り返しも、ちょっと多すぎるように感じました。
最初の書き出しを活かした重厚で濃密な展開を予想していただけに、やはり全体を通して出来事の少なさが気になるところでありました。 |
名前: 気まぐれルート66 ¦ 15:02, Tuesday, Sep 29, 2009 ×
全体のスピード感と最初の謎掛けを合わせた部分が肝で、また、こう落ちると思わせた展開を二転、三転とさせていく部分にマスは1〜6と予想できても、そのどれが出るものなのか。転がるサイコロの様な不安と期待を喚起させるお話ではないかと思います。 望むところはももう少し残虐描写があっても良かったかなと。
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名前: 籠 三蔵 ¦ 02:05, Wednesday, Sep 30, 2009 ×
今大会では伝奇風の作品はあまり無かったので、期待して読みました。 オチはややありがちですが、常世虫信仰をモチーフにした、しっかりと練られた作品であると思います。 文章もテンポがよく読みやすい。 ただ、常世虫の変わりをダンゴ虫にしたのは安易かなと思いました。
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名前: 水本しげろ ¦ 22:18, Thursday, Oct 01, 2009 ×
ダンゴムシと車を見間違えるのは難しいかも……。でも衝撃には強そうだね。外殻だから。 こういうオーソドックスなものだと、主人公に「死んじゃかわいそうだな、嫌だなあ」と思わせる要素があるといいですね。おバカが死ぬ話はよくあるから。 |
名前: あおいさかな ¦ 23:47, Thursday, Oct 01, 2009 ×
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QRコードの中に 潜む実話怪談

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