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ひひる
「ひひる…」
俺は思わず呟いた。
ふらりと迷い込んだ裏通りにある古びた呉服店。ショーウィンドーに飾られた一枚の漆黒の着物に思わず目が止まった。
桜が咲き誇る裾に真紅の大きな蝶が一匹、舞うように描かれている。俺はこの蝶に見覚えがある。
〈これは、ひひるの着物ではないか〉
突然、眩暈がした。遠い過去の甘く切なく、そして恐ろしい記憶が蘇る。

あれは、小学四年生の夏休みだった。俺は毎日、網と虫篭を持っては色んな昆虫を捕まえていた。
蝉、蝶、蜻蛉、飛蝗…。
あの頃は、特に昆虫を研究していた訳ではないが、何故か捕獲して所有するという行為に夢中になっていた。家に居ても退屈だった俺は、来る日も来る日も狂ったように昆虫を追いかけて野山を駆け回っていた。山奥の田舎の娯楽といえばそれぐらいしかなかったのだ。
ある日、俺は一匹の珍しい蝶を見つけた。真紅の大きな煌く翅を羽ばたかせている。あんな綺麗な蝶は今まで見たことが無い。途端に俺の捕獲意欲が燃えた。何とかして捕まえようと蝶を必死になって追いかけた。しかし、あと少しという所で逃げられてしまう。蝶は俺をからかう様に、ひらひらと優雅に飛んでいる。俺は狙いを定めて、飛び回る蝶の前方から掬ってみた。すると、上手い具合に網の中に捕まえる事が出来た。俺は慎重に翅を破かぬよう、網から蝶を摘んで出し、そうっと虫篭に入れた。指に付着した燐粉が金色にきらきら光っている。俺が虫籠の中の紅い蝶を戦利品のように誇らしげに眺めていると、
「もし…」
突然、背後から声をかけられた。振り向くと、真っ白な日傘を差した黒い和服の女が立っている。
「その蝶を逃がしてやってくれませんか」
女は俺に向かって言った。日傘の陰で顔や表情は見えない。
「嫌だよ。せっかく捕まえたのに」
俺はむきになって答えた。
「その蝶はね、これから行かねばならない所があるのよ」
と言いながら女は日傘を畳んで俺に顔を近付けてきた。その瞬間、俺は息を呑んだ。
透き通るような吟醸肌。黒い瞳が煌めく蝶の翅のような形の大きな切れ長の目。小さい唇には赤い紅が薄っすらとひかれていて、漆黒の着物によく映えていた。艶やかな黒髪はきちんと結い上げられ、白い花の簪を挿している。着物の裾に花と共に描かれている大きな紅い蝶の柄が印象的だった。細くて儚げな身体からは、一種独得の不思議な雰囲気が漂っていた。ぷうんといい香りが漂って来る。何て綺麗な人だろうと思わずうっとりと見とれてしまっていた。
「お願いします。逃がしてくれたら私の家でお菓子を御馳走しますから」
「お菓子!」
女の美しさと菓子に釣られた俺は、快く蝶を逃がしてやった。紅い蝶は自由になって嬉しそうにひらひらと舞いながら真夏の青い空の彼方へ消えていった。
蝶を見送った後、女に手を引かれて俺は歩いた。その手は体温が無いのではないかと思うほどひやりと冷たかった。
女に連れられるがままに山道を歩く。しばらくすると鬱蒼とした竹林に入っていった。
奥には一軒の古びた小さな日本家屋風の平屋があった。
表札の出ていない苔むした石造りの門をくぐると、草花が茂る庭に色とりどりの大小様々な蝶が飛んでいた。
まるで主人の帰りを喜ぶように女の周りに蝶がひらひらと寄ってきた。
家の中に入ると、質素な和室で冷たいお茶と水饅頭を出された。妖しく七色に光る透明な水饅頭は光の加減で時折、中で蝶が舞っているように見えた。恐る恐る一口食べると吃驚するほど美味しい。蕩ける様に喉に入っていく。
俺が旨そうに饅頭を頬張るのを見ながら、女はお茶を静かに啜っている。
「名前は何ていうのかしら?」
女がふいに訊ねてきた。
「渡です」
俺は姿勢を正して言った。
「じゃあ、渡さんって呼ぶわね」
「おばさんの名前は何ていうの?」
今度は俺が女の名を訊ねた。そのころ俺はまだ小学生だったので女の年齢はよくわからなかったが、恐らく二十代後半から三十代前半ぐらいだろうか。年齢不詳の女だった。
「私は、ひひるっていうの。」

それからというもの俺は毎日、ひひるの家に遊びに行った。
だいたい昼過ぎぐらいに訪ねて、夕方の晩御飯前ぐらいまで過ごしていた。
ひひるの家では、いつも居間で過ごしていた。そこは六畳ほどの広さで、真ん中に小さな卓袱台があり、壁際に黒い茶箪笥が置いてあるだけだった。縁側から自然が豊かな庭が眺められる。家はいつも奇麗に掃除されていたが、物が少なくあまり生活感のない家だった。ひひるはここに独りで住んでいるのだった。
家の周りには何故かいつも沢山の蝶がいた。家の中にまで蝶が舞い込んで来る。絵を描くのが好きだった俺は、蝶や庭に咲く花の絵を描いた。ひひるを描いた事もあった。
ひひるがご馳走してくれるお菓子はいつも大変美味で、それも楽しみの一つだった。
実は、居間以外に部屋がもう一つあった。一度だけこっそりと覗いた事がある。その部屋には、黒い額に収められた夥しい数の肖像画が壁じゅうに飾られてあった。若くて美しい和服姿の女性、悲しげな瞳をした少女、恐ろしい表情の老婆、軍服を着た厳しい顔の男性、制服姿の青年、笑う赤ん坊、ドレス姿の花嫁、等々…。どの絵もよく描かれていたが不気味な印象を受ける。突然、何者かの視線を感じた。俺は戦慄を覚え、慌てて扉を閉めた。それ以降、決してその部屋を覗くことはなった。

ひひると話をした記憶はあまりなかったが、一緒にいると何故か落ち着いた。俺は物心つく前に母親を亡くしていた。父親は毎日夜遅くまで働き、ほとんど顔を合わせることもない。祖母が面倒を見てくれたが、少々耄碌していて反応が鈍く辛気臭かった。ひひると居ると母親とはこういうものなのだろうか?と考える事が時々あった。俺は、ひひるに母親像をだぶらせていたのかもしれない。
ある日、ひひるの家に行く道すがら、美しい立派な山百合を見つけた。花の好きなひひるに持って行ってやろうと俺は山の斜面に咲いている山百合を摘み取った。
俺は玄関先で早速、ひひるに山百合を汗を掻きつつ差し出した。普段あまり感情を露にしないひひるがその時だけ少し涙ぐんだ。そして「ありがとう」と呟くと、ひひるは俺の唇に自らの唇をそっと重ねてきた。ひひるの柔らかい花の香りのする唇から甘い蜜の味がした。それがどういう行為なのかわからなかった俺は大変驚いた。
思えばあれが初めての接吻だったのだ。あれほど甘美な口づけは後にも先にもあの一度だけだった。

夏休みも終わりかけのある日。
いつものように、ひひるの家を訪ねると玄関の戸が閉まっていて開かなかった。
ひひるの名を呼んでみたが、返事はなくひっそりと静まり返っている。
今まで訪ねて留守だった事は一度もなかった。俺は何とか家の中の様子を伺おうと思った。
家の裏手にまわると窓があった。あそこなら中の様子が伺えるだろう。
ちょうど近くに転がっていた古びたポリバケツを台がわりにして、そおっと家の中を覗いた。
窓からは、例の肖像画だらけの部屋が見えた。
部屋の真ん中に、ひひるはいつものように黒い着物を着て正座している。
その周りを沢山の蝶が舞っていた。
不気味な絵と極彩色の蝶に囲まれ黙座する、ひひるの神々しい冷たい横顔。
何故か俺はその不思議で美麗な光景に心を奪われ眺めていた。
その時だ。突然、ひひるは目の前を飛んでいた蝶を鷲掴みにしたかと思うと、口の中に放り込んだ。そして、むしゃむしゃと食べ、ごくりと飲み込んだ。
俺は驚きのあまり息を呑んだ。
ひひるは、なおも手を止めることなく飛び交う蝶を勢いよく両手で掴んでは次々と口の中に放り込んで貪っている。
次第に着物は着崩れ、真っ白な美しい肌と豊かな乳房が露になった。蝶の千切れた節足や?げた翅が口の周りを汚し、燐粉が妖しく光り輝きながらひひるの白い肌を血のように紅く染めていた。それは鬼気迫る凄まじい食べ方だった。時々、喉に詰まらぬようグラスの水を飲んで蝶を体内に流し込んでいた。蝶を飲み込むと、ひひるの身体は妖艶に青白くぼうっと発光した。そして、その度に身に纏っている暗黒色の着物に美しい蝶の柄が鮮やかに浮かび上がる。
俺は恐れ慄きながら凝視していると
パリン
弾けるような音がした。台にしていたポリバケツが俺の重さに耐えかねて割れたのだ。
〈ひひるに気付かれたかもしれない〉
俺はその場から一目散で走って逃げた。見てはいけないものを見てしまったと思った。
急にひひるが恐ろしくなった。俺もいつかあの蝶のように食べられてしまうんじゃないかと…。

その日の夜中。けたたましいサイレンの音で目が覚めた。
外が騒がしい。窓から覗くと竹林のある山が真っ赤に燃えているではないか。
ひひるの家の方角だ。妙な胸騒ぎを覚えた俺は、突っ掛けを履いて寝巻きのまま慌てて外へ飛び出した。竹林まで必死に走った。既に消防車も駆けつけ、人だかりが出来ている。野次馬を掻き分けて見ると、ひひるの家が炎上していた。 凄い勢いだ。俺は夢か現実かわからないほどの衝撃を受けていた。
その時、俺はこの目で見た。何千、何万匹という蝶が燃えながら火の粉と共に空に向かって飛んいる。恐ろしかった。この世のものとは思えぬ地獄の美しさ。蝶の散華。やがて夥しい数の蝶を焼き尽くす炎が一匹の巨大な紅い蝶に変容した。俺はその不思議な光景に恍惚を感じて、いつまでも立ち尽くしていた…。

後の話によると随分前から誰も住んでいなかった空き家を誰かがいたずらで放火したのだろうということだった。
焼死体などが出てきたという話もまったく聞かなかった。
ひひるは何処に行ってしまったのだろう。俺のひと夏の思い出は炎と共に燃え尽きてしまったのだった。

俺はその後、大学進学をきっかけに郷里を後にした。
大学では美術を勉強している。俺が蝶ばかり描いているのは、ひひるを忘れられないせいかもしれない。
昔、蝶を「ひひる」と言ったらしい。語源は分らない。
人は死ぬと魂は蝶になるという。
ひひるは、蝶だったのかもしれない。
俺はもしかして彼女を蝶と知りながら愛していたのだろうか?

その時、ショーウィンドーに飾られていた着物の柄の紅い蝶がふわりと緩やかに舞い出てきた。
俺の唇にそっと止まる。
目を瞑ると懐かしい記憶が蘇った。ひひるの柔らかい唇が重なる感触。
流れ込む甘い蜜の味。身体が痺れるような感覚と共に頬に涙が伝う…。


古びた呉服店のショーウィンドーに新しい着物が飾られていた。
夜の静寂のような黒地にひっそりと桜が咲いている。
裾には映えるような美しい一匹の紅の蝶、そして青紫の蝶が一匹…。



01:42, Friday, Sep 04, 2009 ¦ 固定リンク ¦ 講評(13) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯


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幻想的且つ情緒的に描かれてはいる。幼少時を描いた前半の密度に比べ、後半はあっさりと終わってしまった感が強い。主人公の幼い頃の思慕の対象であるひひるに、成長してもなお引きずる程の妖艶さは感じられず、そのせいか、結末が唐突に思えた。幻想的怪奇色を強調しよ .. ... 続きを読む

受信: 22:01, Friday, Sep 25, 2009

■講評

ううーん、雰囲気だけで終わった印象でした。
とにかくオチの弱さが目立つので、回想でそこまで引っ張ったなら、もうちょっとそれを活かせるようなオチに繋げて欲しかったなぁと思います。


名前: PM ¦ 19:32, Wednesday, Sep 16, 2009 ×


「世にも奇妙な物語」でやってそうな幻想的な話ですね。
主人公にとってこの結末はハッピーエンドではないでしょうか。
全体的な「俺は」「ひひるは」の多様に、少し興を削がれました。
また、回想よりもひひるとの再会、それに伴う感情がもっと知りたかったです。

結末+1
文章-1

名前: もりもっつあん ¦ 22:43, Wednesday, Sep 16, 2009 ×


恐怖度1
文章力1
構成力0
雰囲気1

凄く雰囲気の良い作品で、美しい世界観が漂っています。
ひひるの妖艶さ美しさに惹かれる少年の切ない心。
不思議な恋愛小説的ですね。郷愁を誘う感じがしました。
ひしひしとした氷の下の世界を感じる様な、こういうじっくり味わえる作品があっても良いなと思いました。

名前: 妖面美夜 ¦ 18:06, Friday, Sep 18, 2009 ×


 +0.5を四捨五入
・アイディア±0
 「ひひる」という言葉は面白いと思ったが、話全体はプラスにするほど独創的だとは思わなかった。
・描写と構成+0.5
 描写、ひひる登場時の容姿描写等、頑張っていると思った。構成、可もなく不可もなく。無駄はない。
・怖さ±0
 物悲しい、ノスタルジック、な雰囲気はあるが、怖くは感じなかった。
・買っても後悔しない魅力±0
 雰囲気のある作品だと思うが、内容はオーソドックスな感じなので、積極的に入手したいかと問われると微妙。傑作選を買った結果手にはいるなら、構わないかな、という程度な感じ。

名前: わごん ¦ 23:58, Sunday, Sep 20, 2009 ×


「ひひる」というタイトルにまず惹かれました。ラスト近くで「蝶」ということが判るのですが、読んでる最中ずっと頭に「ひひるってどんな意味だろう」と引っかかっていたところ、ずっと目の前に出されていた「蝶」だったという仕掛けが小気味良かったです。

ひひるが蝶を食べるあたりの文章に凄味を感じました。美しいけど鬼気迫る情景が浮かんで、素敵でした。

*雰囲気+1 *タイトルとその仕掛け+1
*恐怖−1

名前: げんき ¦ 22:40, Tuesday, Sep 22, 2009 ×


発想ー1 文章+1 構成0 恐怖0
最初に蝶を逃がしてくれと言っておきながら、…食べた!
幻想的な感じにしたかったのであれば、無理に妖怪じみた行動を取らせなくてもよかったのではないでしょうか。
正直幻想的な話を上品に纏めたがるのは嫌いなのでそのせいかも知れませんが、ああ、キスだけかー、と。

名前: 戯作三昧 ¦ 05:24, Thursday, Sep 24, 2009 ×


 雰囲気があっていいですね。良く書けていると思います。

 雰囲気はあるものの、主人公と女性だけではやはり展開に限界ができてしまいますよね。
 そこにもうひとつの要素をいれるとぐっとおもしろくなると思います。
 また、そうすれば、内容に広がりが出る分、文章もすっきりとまとめる事ができたと思います。
 怪奇な物を目撃してせっかくこれからってところで終わった感じかな。

【アイデア】+1、【描写力】+1、【構成力】0、【恐怖度】0

名前: ユージーン ¦ 21:56, Thursday, Sep 24, 2009 ×


雰囲気、情緒とも『紫陽花の』、『朝の蜘蛛は〜』に似てはいますが、今ひとつ物足りません。人物が描き切れていないせいかとも思います。
ひひるとは、蛾の印象があったのですが、それも一つのフェイクでしょうか。

発想・0 構成・0 文章・0 恐怖・0

名前: 三面怪人 ¦ 21:55, Friday, Sep 25, 2009 ×


女性を見て、吟醸肌なんて思う小学四年生が怖い……。
それはまあ置いておいて、話自体は昔話からよくある覗き見のパターンでした。
少年期の思い出を絡ませた情感のある話に仕上がるには、今ひとつ淡々として描写も弱い感が否めないと思います。


アイデア   0
文章     0
構成    −1
恐怖度     0

名前: 鶴の子 ¦ 09:37, Sunday, Sep 27, 2009 ×


雰囲気1
怖さというのは、こういう憧憬的な物に対する危うい気持ちを含めてもいいような気がします。
だからこそ、日本人の言葉は豊かなのだと。
行こか、戻ろか。
そんな不安定な少年期の揺らぎも、切ない「怖さ」だと。

日本語の美を堪能させていただきました。

名前: ほおづき ¦ 21:56, Monday, Sep 28, 2009 ×


随分とませた少年が出てきて、年齢を考慮するとこれだけ記憶がはっきりしているのは何とも、の感が最初はあったのですが、文章にリズムがあって最後まですらすらと読み進められました。
筋立て自体は特に目新しさはなかったのですが、強いメッセージ性や技術を前に押し出したタイプとは全く違う、素直な作品だったと思います。

終盤に出てくる「何千、何万匹という蝶が燃えながら〜」のこの場面、作品自体は極めて定型ではありながら、このような強烈な映像を出してきたところが、作品に鮮やかな印象を残してくれました。

描写力・1

名前: 気まぐれルート66 ¦ 21:14, Tuesday, Sep 29, 2009 ×


細やかな描写力には脱帽いたします。
主人公の心象風景とひひるの蝶を食べるシーンはなかなかの出来映えです。
が、ここまで描けると今度は作者の仕掛けが欲しくなります。そのままストレートに話が思い出として終っているところに物足りなさを感じました。
あともうひと工夫を感じさせてもらえれば、もう1点加点してもよろしかったかも知れません。

名前: 籠 三蔵 ¦ 20:15, Thursday, Oct 01, 2009 ×


 これがタイトル勝ちしても構わないw。きっと「ひひる」という一単語からイメージを膨らませて書かれたのだと思います。なかなか素晴らしい。
 これは紙で読んだらもっとイイ雰囲気の作品になると思います。
 ただ大学生になってまで引きずらずに、少年のころの記憶、に留めて終わったほうがよかったかなー、と私は思います。郷里を離れたのに何故まだついて来ると。

名前: あおいさかな ¦ 23:51, Thursday, Oct 01, 2009 ×


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