← |
2023年6月 |
→ |
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
|
|
|
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
|
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
|
|
エンプーサ(Εμπουσα) ギリシャ神話のヘカテに仕える邪悪な女神、夢魔。 蝙蝠のような翼に蹄鉄のごとき足を持ち、変幻自在に姿を変えることができる。 若い男を誘惑し交わって貪り、子供を襲って食べ、悪夢を見せながら血を啜る。 その名は「雌蟷螂」という意味である。
静まり返った夏の夜。私は一人、食卓でカレーを食べていた。 熱帯夜だが部屋の冷房はガンガンにきかせている。 とはいえ連日猛暑で毎日が慌しい。つい食が細くなりがちだが、こんな時はやはり刺激のあるカレーは一番食欲がでる。しっかり食べないと体力がなくなる。 新鮮な赤味の塊肉を挽いて作ったミンチを入れ、複数のスパイスも効かせてじっくり煮込んだ挽肉たっぷりのキーマカレーだった。 つけっ放しのテレビからは夜のニュース番組が流れている。 どこのチャンネルに変えても連日賑わせているのは同じ事件のニュースばかり。 少年連続行方不明事件である。今月に入ってから、この近辺だけでもすでに3人の少年の消息がわからないままである。行方不明になっているのは、下は幼児から上は中学生ぐらいまでの年齢の男の子ばかりである。 「行方不明なのはP小学校に通う4年生A君で… 」 テレビからアナウンサーの声が流れてくる。 〈P小学校といえば隣町だわね。4年生といえばトシオと同じ学年じゃないの…〉 ぶるっと体に戦慄が走った。 トシオ、私の大切な一粒種。トシオの父親である夫とはすでに離婚していた。それから女手一つで育てている。何であんな男と結婚してしまったのかわからない。理由はただ子供が欲しかった。それだけだったのかもしれない。
ふとカレンダーの赤い印を見る。同時に下腹部に引き攣るような痛み。 〈排卵日だわ…〉 卵子が細い卵管を通っているのだ。一番妊娠しやすい日でもある。 女は誰でも周期がある。心なしか今夜はいつもより気持ちが高揚している。 私は食べ終えたカレーの皿を流しに運んだ。カレーもいいけれど、明日は香りの豊かな重みのある赤ワインでじっくり煮込んだビーフシチューもいいわね。と心の中で思った。 テレビのスイッチを切る。
私はこれから仕事に出かけなければならないのだ。 〈その前に、上で寝ているトシオの様子を見に行かなくちゃ〉 私は足音を立てない様、二階に静かに上がって行った。そおっと子供部屋の戸を開ける。電気はついていないが月明かりが妙に部屋を明るく照らしていた。 ベッドにはトシオが静かに寝ている。 「トシオ…」 私は眠っているトシオの頭を撫でた。 トシオがまだ生まれて間もない頃。突然、虫刺されのような発疹が体中に現れた。それ以来、皮膚の病に苦しむようになった。酷い痒みで眠れず一晩中、身体をさすって上げたこともある。何日も高熱を出して寝込んだりする。色んな医者にも掛かったが、原因がわからなかった。 だが、トシオは病弱にもかかわらず積極的に家の手伝いをしてくれる。 私が悲しそうな顔をしていると 「ママ、心配ばかりかけてごめんね。僕が大きくなったら、一生懸命働いて幸せにしてあげるから。だから泣かないで」 と、慰めてくれる。夫に暴力をふるわれた時も、私の前に立ちふさがって小さい身体を張って一生懸命かばってくれた。 どうして、このような優しくていい子が苦しまなくてはならないのか? きっと息子は、穢れた世の中の悪をこの小さな身体に請け負っているのだ。 可哀想に。 だから私がトシオを恐ろしい世の中から守り抜かなければならない。 そのためには、まずこの世の浄化を進めなければ。そうすればきっとトシオの病も癒える。 〈あまり時間がないわ。急がねば…〉
仕事に行く前に大事なお祈りをしなければならなかった。 私は大型の黒塗の仏壇の前に立った。 ゆっくりと重々しい扉を開ける。ぎぎいい〜っという軋む音がする。 中の蝋燭に火を点した。 仏壇の前で、私はゆっくりとお祈りのポーズをした。 両手をまず鎌のような形にして。何度も何度も上下に振り下ろす。 そして最後は両手をそっと合わせて合掌する。 〈蟷螂様…〉 御神体はエメラルドグリーンに輝く雌蟷螂の像だ。両手のするどく光る鎌を振り上げ、逆三角形の顔に左右の大きな複眼がダイヤモンドのように煌き、背後には後光のような黄金の翅が広がっていた。卵を宿した腹部が大きく膨らんでいる。 初めてこの像を見たときは正直驚いた。しかし、神というものが非常に身近に感じられたのも事実だった。神は蟷螂(昆虫)という形を借りて我々に悟りを教えてくださっている。恐怖の世界からまもなく救ってくださるのだ。 そう、蟷螂様だけは決して私を見捨てることは無かった。 胸に着けている鎌のモチーフのペンダントをぎゅっと握りしめる。
夫に出て行かれ、親兄弟にも絶縁され、医者にも見離され…。 残されたのは病を抱えた息子と二人だけ。 私は縋るような思いで、独り神社めぐりをしている時だった。 「あの、奥の院はどちらでしょう?」 突然、境内の中で緑色の和服姿の上品な感じの中年女性に話しかけられた。 私が方向を教えてあげると、 「スタイルがよろしいですわね。ファッションモデルかと思いましたわ」 初対面に関わらず彼女は私の容貌を褒め称えた。その時の私は、洗いざらしのTシャツに、ジーパンというラフな格好だった。だが、私は女にしては身長が高く、学生時代にバレーボールをやっていたせいで体格も良い方で、細身である。顔はともかくスタイルは日本人離れしているかもしれない。 和服の女性は、私に非常に好意を寄せてくれた。そして、私も彼女に対して好印象を持った。お互い寺社仏閣好きという事もあり、あっという間に意気投合した。そして、その女性に誘われるがままに通いだしたお茶会。そこは神仏好きの趣味の集まりみたいなものだった。気安い仲間と共に楽しく雑談したり、お菓子を食べたりして過ごす。最初は寺社仏閣の話が中心だったが、次第に話題は精神世界の内容になっていった。 ある時、仲間と共に四日間の神仏勉強会の合宿に参加した。そこで朝から晩まで私は徹底的に、この世がどれだけ恐怖と悪意と陰謀に満ちていているのかを教わった。このままだとこの世は魔界になってしまうという。私はすっかり絶望の淵にいた。もう助かる術はないのだろうか? そして合宿の最終日、遂に救世主が我々の前に姿を現したのである。 輝くばかりのオーラを放ち、エメラルドグリーンのドレスを身に纏った年齢不詳の美しい女性。長身でスリムな体躯、蒼白いほど透き通った肌、逆三角形の輪郭の小さな顔に、青みがかった不思議な光を宿した大きな瞳。彼女こそが神の使いであり教祖様なのだ。 教祖様はおっしゃった。 「この穢れ切った世の中を浄化できるのは我々、女性なのです。まず個人の幸せだけを追求しなさい。個が幸せにならなければ全体の幸せなどありえないのです。これをご覧になった事がありますか?」 そういって目の前の巨大スクリーンに映像が流された。 それは蟷螂の交尾だった。 大きな雌の背中に、小さな雄がへばり付くようにして交わっている。 突然、雌が雄に交尾の最中に襲いかかった。頭に被りつき目玉から、ばりばりと貪り喰い出したのである。そして、あっという間に雄の頭部を平らげてしまった。さらに雌は結合したままの状態で、今度は雄の腹に喰らい付きその身体を貪っている。首のない雄はより一層性感が高まったかの如く身体を痙攣して、興奮して足をばたつかせている。雌に食べられ尽くされるまで、雄の生殖機能だけは最後まで失われず、激しい交尾はなおも続く。 「…しかし、一見、残酷だと思われるこの行為にも深い意味があるのです。 快楽と恍惚の絶頂の中で雌によって雄は逝ったのです。悦楽の中、最高の幸福感の中で極楽の境地に達するのです。これこそ誠の昇天なのです。 まず、純真無垢な沢山の可哀想な少年達をこの穢れた世界から救わねばならない。そのためには、蟷螂様の元へ少年達を連れて行き誠の教えを授ける事により、極楽浄土へと導いてあげましょう。地獄のサタンの手に堕ちる前に、我々の手で浄化し、この世を楽園に変えましょう!」 場内からは拍手喝采が起こった。感動の余りすすり泣く声も聞こえて来る。蟷螂様を称えて叫ぶ声の中、まさに目から鱗が落ちたような感覚だった。その時の感動は忘れない。
それからというもの私は少年達を蟷螂様の元に導いてあげている。 例えば、公園の砂場などで、いつまでも独りで遊んでいるような子。 日が暮れてくると他の子供達は、自ら家路に急いだり、家族が迎えに来てくれる。 しかし、その子だけは何時まで経っても誰も迎えに来ない。だいたいそういう子は妙に瘠せていたり、身なりが粗末だったり、身体に不自然な痣があったりする。淋しい影のある少年達。きっと酷い扱いを受けていて、誰からも愛されていないのだろう。可哀想に。蟷螂様の手で救済してあげなければ…。 少年にそっと近寄って、優しく話しかける。最初は少年も心を閉ざしている。だが、私は現に母親だし、子供の警戒心を解くのは御手の物である。そして、少年が気を許したところで睡眠薬入りのジュースやお菓子などをすすめるのだ。必要な小道具などは教会が支給してくれる。やがて、少年が意識を失った所を車に乗せて教会まで運ぶのだ。
人生に目的が出来た私は、毎日生き生きと過ごしている。 神の御使いとして働ける、神に選ばれた自分を誇りにすら感じている。 トシオの病気も驚いたことに少しずつだが良くなってきている。 発疹も以前ほど酷くなくなってきたし、あまり熱を出さなくなった。 〈蟷螂様のお陰だわ〉 私は、仏壇に供えてあった液体を一気に飲み干した。蟷螂様のご聖水だ。教会から戴いたものだ。これを飲むと気分が不思議と高揚して活力がみなぎるので、使命の前には必ずこれを頂いた。私は颯爽と出かけた。
一仕事終えて家に帰ってきた時はすでに真夜中だった。仏壇の蟷螂様の前で、使命を無事果たせた感謝のお祈りを済ませる。いつもの事ながら非常に緊張するので疲れる。世間も我々の活動に気付き始めているかもしれない。これからは今までよりも、もっと注意を払わないといけなくなるだろう。しかし、今はとにかく眠ろう。 蒸し暑いのでベランダの戸を少し空けて網戸にした。神経を落ち着かせるために鎮静剤を飲んでベッドに潜り込んだ。やがて、深い眠りに落ちる―――。
私はトシオと豪華な部屋に居た。 そこは煌く様な素晴らしい所だった。柔らかい絨毯が敷き詰められ、天井からは、シャンデリアが明るく瞬いていた。美しい花が飾られ、高価な調度品や絵が飾られていて、静かな音楽も流れていた。 食卓には色とりどりの美味しそうな料理やお菓子が沢山並んでいる。 私はエメラルドグリーンの絹で出来た上質のドレスを身に纏っていた。トシオも奇麗に仕立てられた緑色の服を着ている。 私達はその心地よい空間で、一緒に食事をしたり楽しく遊んだりしていた。 二人にやっと訪れた平安。私達は幸福の時を過ごしていた。 だが、幸せなはずなのになぜかトシオは時折、不安な顔をする。 その視線の先には締め切った大きな鉄の扉があった。 薔薇の彫刻が施された重厚な造りの扉。 あの扉の向こうには一体何があるのだろうか? やがて、トシオは無言で私に1本のアンティーク風の銀の鍵を差し出した。 あの扉を開けてくれと目で訴えている。 しかしなぜか、開けてはいけないような気がする。 私は躊躇ったものの、トシオの憂いを込めた眼差しについに堪えられなくなった。 遂に、私はトシオから鍵を受け取った。 震える手でゆっくりと鍵を鍵穴に差し込む。冷たい金属の音がして鍵が外れる音がした。 すると扉はイィィ〜ッと不気味な音を立てて軋みながらゆっくりと開いた。
ギリシャ風建築の神殿。 赤や青の照明が妖しく瞬く祭壇の前で、全裸の少年達が蠢いている。 なぜか皆悲しそうな顔をして、すすり泣いている。 そこへ足音を響かせて何者かがやって来る気配がする。 突如、祭壇の奥から巨大な緑色の化け物のような雌蟷螂が現れた。 逆三角形の顔に大きな複眼を異様にぎらつかせ、頑丈な顎を鳴らしていた。切れ味のよさそうな大きな両の鎌が鋭く光っている 途端に少年達から悲鳴が上がる。 逃げ惑う少年の一人を大きな鎌が捕らえた。泣き叫ぶ少年の頭に大きな顎で齧り付く。ガリゴリガリゴリ…頭蓋骨が割れ、裂け目からはみ出ているピンク色の脳味噌をじゅるじゅると啜っている。雌蟷螂はそのまま、めりめりと音を立てて頭一つ食べ尽くした。食べ飽きたのか、餌食となった少年の首なし死体を乱暴に放り投げると、雌蟷螂はまた次の餌を物色する。絶叫しながら、必死に逃げ惑う少年達。雌蟷螂は容赦なく少年達に向かって鎌を振る。鋭い刃に当たり、千切れ飛ぶ少年達の四肢。真っ赤な血が勢い良く飛び散り、切断された腕や足や首が冷たい大理石の床の上に散らばる。むせ返るような血液と汗を涙と体液と内臓の生臭い強烈な臭い。その中に恐怖のあまり失禁した少年達の糞尿の臭いも混ざり強烈な酸味が加わる。まさに地獄の香水だ。 雌蟷螂は逃げ遅れて転んだ一人の少年を無常にも捉えた。 この世のものとは思えぬ断末魔の絶叫と、肉が引き裂かれる厭な音が神殿内に轟く。 大きな鎌で、生きたままの少年の身体を上半身と下半身に真っ二つに引き裂いたのだ。 蟷螂は無表情に滴り落ちる血まみれの腸をくちゃくちゃと音を立てて咬んで啜りながら食べている。少年は食べられながらも目を剥いて口から血を垂れ流し、ひくひくと生態反応を示して動いていた。 雌蟷螂はある程度食べると、またゴミのように乱暴に死体を投げ捨てた。そして、鎌に付いた血液を舐めながら次の餌を物色する。 私は見た。雌蟷螂の爛々と光る目。そこには感情など一切存在しない、人間にある理性の片鱗も見えない恐ろしい原始的欲望があるのみ。ただ生殖し、食べ、生む。それだけだ。 少年達の恐怖で大きく見開かれた目、震える体、そして絶望と死…。
はっと目が覚めた。 脂汗をびっしょり掻いていた。ひんやりとした風が頬をなでる。朦朧とした意識の中。 カタン はっきりと音が聞こえた。気配を感じた私はふとベランダをみた。窓が開け放たれ、はためくカーテンの陰。 〈誰かいる〉 妙に背のひょろ高い茶色い何かが立っていた。 〈蟷螂!〉 茶色い足まで届くようなロングコート、長い髪を後ろに引っ詰め、逆三角形の顔に血走った目が異様に大きくギラギラと輝いている大女だった。私には、その姿が冬の大きな茶色い雌蟷螂に見えたのだ。女は脇に何かを抱えている。 〈トシオ?〉 トシオは気絶しているのか女の腕の中で、力無くうな垂れてぐったりしている。何と女はトシオをさらおうとしているのだった。私は一目散に女に飛び掛った。 「トシオを返せ!」 その時、何かがバチバチと音を立て、青く光った。 突き飛ばされたかの様な衝撃、身体が仰け反り硬直したまま後ろ向きに激しく倒れた。 スタンガンだ。 女の胸元がにきらりと光るものがあった。見覚えがある、私と同じ鎌の形をしたペンダントだった。 女は動けない私に向かって叫んだ。 「神のご意思だ!」 そして鎌の手のポーズをするとトシオを抱えたまま、ベランダの窓から夜の闇へと消えて行った…。
どれくらい時間が経ったのか。 静まり返った夜明け前。窓からカーテンをたなびかせ冷たい風が入ってくる。 私は床に倒れたまま放心状態で動けない。 突然、仏壇の扉が独りでに音も無く静かに開いた。 雌蟷螂が鎌を振り上げ目を輝かせてじっとこちらを見ている。 その時、雌蟷螂の腹がキラッと瞬いたと思うと、仏壇の中から、細かい小さなものがわらわらと沢山溢れ出て来た。半透明の白い小さな大群が私に迫ってくる。 蟷螂の幼虫達だ。今、誕生したばかりなのだ。 その時、私は稲妻に打たれたかの如く悟った。 喪失と再生。死はめぐり新たな生が誕生する。神秘の生命。 〈神の啓示だ〉 神の意思により我が子は極楽へと導かれ、神として生まれ変わったのだ。 私は、神と一体になった。新たに生を受けた雌蟷螂となったのだ。 そして、自らの手で少年達を極楽へ導くという新たな尊い使命に燃え、恍惚としていた。 私は子蟷螂達に両手を広げて言った。 「さあ、おいで聖なる可愛い我が子供達」 窓からは眩しい希望の朝日が差し込んでいた。
|
■講評を書く
■ Trackback Ping URL
外国のスパマーへのトラップです(本物は下のほうを使ってください)
http://www.kaisyu.info/2009/entry-blog/trackback.cgi20090915222748
■トラックバック
この記事へのトラックバックURL(こちらが本物):
http://www.kaisyu.info/2009/entry-blog/blog.cgi/20090915222748
» 【0】エンプーサ [もけもけ もののけから] × う〜ん。途中途中での説明じみた文が気になりました。途中でトシオが連れ去られるのも読めましたし。コレという決め手がなかったよう�... ... 続きを読む
受信: 17:25, Wednesday, Sep 16, 2009
» 【0】エンプーサ [せんべい猫のユグドラシルから] × 途中までの展開はスムーズで興味を引いたのですが、結末がなし崩しのように感じました。 組織の目的と正体を示唆する物が夢だけで、実際... ... 続きを読む
受信: 22:17, Friday, Sep 18, 2009
» 【0】エンプーサ [日々、追憶…から] × ころころと場面が変わり、その切り替えがうまく伝わりませんでした。自分の子供が最後は教団の餌食となってしまうのも、読めてしまいその�... ... 続きを読む
受信: 00:28, Monday, Sep 21, 2009
» 【−1】エンプーサ [峠の塩入玄米茶屋/2009から] × 宗教に嵌っていく怖さというものはよくわかるような気がする。序盤に書かれたカレーや排卵日の記述はミスリードをさせるために書かれたものと思われるが、あまりに思わせ振りに書かれたために、構えて読んだ分肩すかし感が強かった。また、夢の内容が決してその宗教に対 .. ... 続きを読む
受信: 22:14, Monday, Sep 28, 2009
■講評
新興宗教の教え、怖いですね。 因果応報も効いてます。 ただ、説法の子殺し肯定への流れは若干強引なような。 また回想・現実・夢と様々なところに話が飛び、正直読みづらかったです。
恐怖(新興宗教)+1 構成-1 文章-1
|
名前: もりもっつあん ¦ 01:36, Friday, Sep 18, 2009 ×
教義が、母親であることに優先する。 これをアッサリ描かれると結構怖いですね。
アイディア 0 描写力 0 構成力 0 恐怖度 1 |
名前: ユーコー ¦ 23:03, Sunday, Sep 20, 2009 ×
発想0 文章ー1 構成ー1 恐怖0 序盤のカレーや排卵日の話は何かを示唆しているような気がしたんですが何もなかったということでいいんでしょうか。 夢の話も何かを意味しているようないないような。 教団が怖いのか、子供を待ちうけているであろう残酷な結末が怖いのか、それとも蟷螂と化す母親の歪んだ愛情か。 作者がどのように伝えたいのかちょっと解りませんでした。 |
名前: 戯作三昧 ¦ 06:23, Tuesday, Sep 22, 2009 ×
+0.5を四捨五入。 ・アイディア±0 詳細に書き込んであるが、教団とかの内容自体はありがちな域かな、と。鎌の手のポーズは、それっぽくて面白いと思う。 ・描写と構成+0.5 描写。詳細に書き込んであることを評価して(+0.5)。ただ、場面転換で不親切が目立つように思う。 「夫に出て行かれ、〜時だった。」、夫に出て行かれ、という部分で過去の回想だと明示したつもりなのかもしれないが、「離婚」と「出て行く」は同義にも取れる。読み手としては、過去なのか現在なのか、区別がつかない。もっとはっきり過去だと言っていいと思う。 「私はトシオと豪華な部屋に居た。」、夢だろうな、と読み進めればパターン的には分かる。しかし、夢なのか時間が進んで二人が教団に呼ばれているのか、状況が分かりにくい。 構成。結末までは悪くはないと思う。ただ、結末が投げっぱなしかどうかで悩んだ。書き方次第ではこの構成でもオチるだろうと思ったので、点は引かなかった。
・怖さ±0 この終わらせ方からどんな怖さを伝えようとしているのか、不明瞭に思う。シュールと受け取るには、前までの文章がかっちりと理性的。雰囲気だけで読ませようとしているのなら、失敗していると思う。 ・買っても後悔しない魅力±0 可もなく不可もなく。合計点が+1になっているのが、少し釈然としない。 |
名前: わごん ¦ 00:20, Thursday, Sep 24, 2009 ×
恐怖 2 構成力 −1 新興宗教の恐ろしさを、蟷螂の残酷性に重ね合わせた作品は興味深いのですが、皆様も書かれている事なのですが、最初のカレーの件の部分が、少し判りません。それに、折角エンプーサを絡めているのに、宗教団体の名前や教義などに、エンプーサや魔術の女神といわれるヘカテが絡んでこないのは、勿体無いと思いました。 |
名前: 白長須鯨 ¦ 16:37, Thursday, Sep 24, 2009 ×
ううーん、話に絡まない無駄な描写が目立ちますね。 場面の移り変わりも解り辛く、状況把握もなかなか困難でした。 宗教的な怖さはあるんですけどねぇ…。
|
名前: PM ¦ 19:15, Thursday, Sep 24, 2009 ×
恐怖度1 文章力1 構成力0 アイデア1 独特の新興宗教の設定と、鎌の手のポーズが面白かったです。 教祖のご高説と夢の殺戮シーンは勢いがあって良いですね。 最後に息子が神に召された事で嬉々として更なる使命に燃える母親の姿が恐ろしかったです。 |
名前: 妖面美夜 ¦ 15:46, Friday, Sep 25, 2009 ×
神社での出会いから宗教へのめり込むまでの流れが、とてもリアルでした。「個人の幸せをまず追求する」という教えも、最近の精神世界や自己啓発系での常套句になりつつあるし、説得力がありました。 トシオくんが本当にいい子だっただけに、この母親の狂信加減がよく判り気持ち悪かったです。
*母親の狂気+1 |
名前: げんき ¦ 00:37, Monday, Sep 28, 2009 ×
最初は子供のために始めたのに、いつの間にか目的と手段が逆転してるってのはいいですね。怖い。 また、カルト問題の本質を上手く突いていると思います。
ただ、展開としてはひねりが弱くて、もうちょっと驚かせる仕掛けが欲しかったかな。 この展開でカマキリの後ろで糸を引いていたのはってのはムリでしょうから、個人の視点ではじまったのが、ばーんと外の世界に広がるとかね。
【アイデア】+1、【描写力】0、【構成力】0、【カルト度】+1 |
名前: ユージーン ¦ 22:18, Tuesday, Sep 29, 2009 ×
追記: それまでの日常風景が鎌の手のお祈りでガラッと転換する、その転換点の配置は見事でした。 おもしろい。 |
名前: ユージーン ¦ 22:21, Tuesday, Sep 29, 2009 ×
蟷螂宗教は面白いのですが、少年を収集している目的がいまひとつ分からないですね。 夢の内容のままだという確証がないですし。 恐怖ポイントが夢の殺戮場面に行っているようなので、作中現実のキモが何なのかピンとこなかったです。
アイデア 1 文章 0 構成 −1 恐怖度 0
|
名前: 鶴の子 ¦ 23:23, Tuesday, Sep 29, 2009 ×
脈絡が無いというか、関連性が曖昧な作品。 不要な描写も多いですね。 カレーは何の為にこだわったのか、結局判りませんでした。 発想・-1 構成・0 文章・-1 恐怖・0 |
名前: 三面怪人 ¦ 00:55, Wednesday, Sep 30, 2009 ×
奇妙なぬめりを感じる部分が往々にあります。突出したパワーこそ感じませんが、妙な後味の悪さを残させるのは書き手側の勝ちとも言えるでしょう。宗教に染まっていく母親の心象風景の病み具合もリアルでした。 神殿の部分に関しては、もう少し前後の部分とバランスを取った描写にするとよかったかなと私的に。 |
名前: 籠 三蔵 ¦ 01:52, Wednesday, Sep 30, 2009 ×
文章も読みやすくて、内容も特に難しい話ではなかったです。 合宿のあたりまでは面白く読んでいたんですが、そこから先は決められた筋道を一直線に進まれたのかなという印象を受けました。 出てくる人物が少ないと、話がぶれずに進みやすいだけに単調になりがちかなとも思うのです。 せっかくの面白そうなアイデアが小さく纏まったのは勿体なかったです。
タイトルと書き出しを見ただけでも何かすごい事をやってくれるんじゃないかと思っていただけに、ちょっと残念でありました。
最初に出てきたカレーは美味しそうでした。 もしかしたらここで、この先に出てくる「食べる」事と、「新鮮な赤味の塊肉」がわざわざミンチに付け加えられていた事から、それらを蟷螂の交尾や少年の惨殺シーンに重ねようとされていたのだろうかとも思えるのですが、何気なく書かれているためにカレーの方の印象が強すぎたのと、この後で該当場面が出る頃には、きれいさっぱり忘れられているのではないかなという気がします。
構成力・−1 |
名前: 気まぐれルート66 ¦ 23:32, Wednesday, Sep 30, 2009 ×
怖い話のはずですが、そこまで怖くない・・。この親玉は人なの?化け物なの?蟲なの?など設定が不明な部分が気になってしまうのでしょうか。 |
名前: 読書愛好家 ¦ 20:19, Thursday, Oct 01, 2009 ×
一文をもっと短くできればいいですね。たとえば、一つだけ例を出すと、 >新鮮な赤味の塊肉を挽いて作ったミンチを入れ、複数のスパイスも効かせてじっくり煮込んだ挽肉たっぷりのキーマカレーだった。 ミンチは主人公が塊肉からわざわざ作った、ってことを強調して、料理好きという特徴づけをしたかったのかな? 「、」以降も挽き肉を入れたのはもう分かったから、「挽き肉たっぷりのキーマカレー」と書かなくても大丈夫です。 ニュースを観てても、それに他人事のように戦慄している主人公、っていうのもなんか変です。この宗教団体とは無関係の事件なのかな? |
名前: あおいさかな ¦ 01:49, Friday, Oct 02, 2009 ×
|
|
QRコードの中に 潜む実話怪談

|
■■■ ◆◆◆
|